見出し画像

【ますみ】地下アイドルとSNSの運用について考えてみた

アイドルにとってのSNSというツール

地下アイドルにとって、SNSは必要不可欠な要素だな、と思う。
アイドル自身にとってもそうだし、グループの運営にしてもそうだ。
アイドルグループにとって、最新の情報を発信する場所は、X上だと思う。
急な予定の変更や、大切なお知らせも、ほぼX上で発信される。
私たちにとって、最大のプロモーションのツールであり、インフォメーションの場であり、そしてマーケティングの対象でもあるのがSNS。

DM運用ルール

SNSの運用ルールというものは、わりとアイドルグループによってまちまちな気がする。
ほぼすべてのグループに共通しているだろうな、と思うルールとしては、DMに対する返信の禁止。これを許可しているアイドルグループは相当少ないと思っている。
やはり、いわゆる繋がり行為と呼ばれる、アイドルとファンとの私的な関係に一番直結するのが、DMを通してのクローズドなやり取りだから、当然の判断だろうなと思う。
けれど、そのDMに関しても、それ以外の部分ではグループによって結構扱いが違う。
一番厳しいのは、そもそも誰に対してもDM機能自体を開放してはいけないよ、というもの。有無を言わせず、絶対に私的な連絡をさせないという形だ。
それより少し緩くなると、DMを受けることは許される、読んでもいい。ただ、既読をつけることを含め、反応を返すことは禁止。ファン側からすると、読んでもらっているという確かな確証は得られないことになる。
でも、特典会で本人にDM読んでるよって確認することも可能だし、返信がなくても周りの目を気にせずに自分の気持ちを伝えることができるというのは、ファンからするとかなりありがたいことなんじゃないかな、と思う。
そして、アイドル側としても、個人的なメッセージをわざわざ送ってくれるということについては、たいてい好意的であると思う。もちろん、たまに迷惑な内容だったり、アンチコメントみたいなものが送られてくることもあるけれど、それはもうどうしようもないことと割り切った方がいいよなって思う。
既読OK、絵文字などの反応がOK、となると、やりとりにも少し楽しみが生まれてくる。やっぱり、自分のメッセージが今読まれたんだなということをリアルタイムで知ることができるのは、かなりのモチベーションになると思う。
ちなみに、私たちのグループのルールは、既読OK、絵文字などの反応NGという、このルールの中間くらいなところに設定されている。
私には前世があって、そこのグループの時はもう少し厳しくて、既読NGだった。それでも、読むことは可能だったので、毎日のようにコメントを送ってくれる熱心なファンもいた。いたというか、今もいる。
そのファンはライブにもよく通ってくれているので、特典会の時にはDMでくれたメッセージについての話題もすることがあった。
グループが変わってからは、既読OKになったので、私の既読がつくのを待って、何通か送ってくるような日も増えた。
こうやってファンとのコミュニケーションを取ることは楽しいけれど。でもやっぱり少し危険なんだな、と感じることもある。どうしても、褒められたら嬉しいし、会えて嬉しい、ありがとうと感謝の気持ちを送られたら、こちらも同じように気持ちを返したくなる。
そういうやり取りを日常的に続けていると、その相手は少しずつ「特別なファン」になって行くのは止められない気がする。
あくまで受け取るだけ、のやり取りをしていた私ですら、そういう気持ちを感じるタイミングがあるのだから、返信OKとなって、2人だけの会話が成立するようになってしまったら、どうしてもアイドルとファンのラインを踏み越えるような関係にまで発展していくこともありうるなということは分かってしまう。
だから、DM返信禁止っていうルールは、私たちの立場を守る上でも、やっぱり最低限のラインなのだなと思っているし、今のところ私はこのルールを変えてほしいとは思わないかな。

いいねとリプライ

Xのいいねが全面禁止、という厳しいグループも、そこまで多くはないかなと思う。いくつかそういう運用をしているグループも知っているし、やはり大きいところ、メジャーなグループでファンが多いところになればそれだけ厳しいルールになるのが普通だ。
禁止ではないけれど、特定のポストに対してだけだよ、というルールがあるところ。これは割と多いかなと思う。今の私たちのグループ、そして私の前のグループともに、このルールだった。
いいねをしていいのは、自分のポストに対するファンからのリプ、もしくは、確実に自分や自分たちのグループに対する発言だとわかるもの、発言内に自分の名前やグループ名、ハッシュタグとしてそれと同じ意味をもつものがついている場合。あとは、自分が写っているチェキが載せられているものなど。
要は、直接自分に関係ないような発言に反応しちゃダメだよ、ということ。
これも私としては特に不満はないルールだ。もちろん、親しいファンになると趣味も知っていたり、自分以外に見に行くグループとか、自分以外の推しのこと、バイト先・勤め先のこと。プライベートに関わるいろんな話も知るようになる。
だから、自分に直接関係ないポストでも、あ、昨日話題にしてたあの話だな、みたいなことは分かったりするし、ついつい反応したいな、と感じる瞬間もある。
でも、これもDMと同じで、そういう反応をするような日々を繰り返していくと、どうしても親近感が湧きすぎて、一線を越える原因となるのだろうな、と思う。
また、最近はXの仕様が変わったから他人へのいいねは表示されなくなったが、以前は私がつけたいいねは他の人にも見えていたので。あ、この子はこのファンのこんな発言にも反応返すんだな、と思われることは、ファン同士の嫉妬心、対抗心を生む一因となりかねない。
今のグループ内ルールを守った範囲内の運用ですら、直接的・間接的に「あの人に対しての反応はいつも早いよね」みたいなことを言われることも無いわけではない。こちらとしては全然そういうつもりはないのだけれど、たまたまタイミングとかの問題で偏りが出ることはもちろんある。
どうしたって、恣意的に受け取る人は出てくるんだな、ということはアイドル生活を通して分かったことだけど。少なくとも、ちゃんと決められた範囲内でやっているんです、とちゃんと胸を張って反論できるようにするために、ある程度のルールを定めてもらうことはありがたいと私は思っている。
自分もファン側にいたこともあるし、今でも推しているアイドルの子はいる。だから、その推しに対しての言葉に相手から反応が来た時の幸せな気持ちとか、読んでくれてないのかな、と不安になる気持ちとか。そういうものは痛いくらいに良く分かるので。
私の指先ひとつで、一喜一憂するファンがいる、私はそういう立場にいる人間なんだぞ、という自覚はしっかり持って、アイドルをしていきたいなと思っている。だからこそ、SNSってやっぱり難しいなと実感する。

いいねと違って、リプライはもう少し悩ましい問題。
これは本当にグループによって様々なルールになっている気がする。
リプ禁止。結構多いと思う。私の推しのいるグループはこのルール。やっぱりファンが多いグループでもあるし、みんなを平等に扱うという上で、全員にリプしていたらキリがないだろうなとも思うし、そうなると禁止にしないと大変だろうな、と思う。
グループのメンバー間の差異みたいなのもある。リプに熱心なメンバーとそうじゃないメンバーが混在していると、これまた揉める原因となる。~はいつも返事くれるのに、みたいなことを言うファンは絶対にいるものだ。
リプはできるけど1ポストに対して1回まで、みたいな回数の制限をつける場合もあるし、いいねと同じように、自分たちに言及している時だけしてよい、とか。ただのリプはNGだけど、自分のポストにつけてくれたものに対するリプ返だけOKというところもある。
うちのグループのリプライに関するルールはというと、各メンバーがプロフィールに書いているハッシュタグか、グループ公式のハッシュタグを付けたチェキ画像つきのポストだけリプ1回OK、というものになっている。
これについては、運営さんにこのルールにした理由を聞いたことがちゃんとあって、まずちゃんと現場に足を運んでくれて動員に貢献しているファンに対しては何かの形でお礼の気持ちを示したいという理由。そして、チェキのポストは私たちのグループを世に広めてくれる広報活動の一旦を担ってくれているものだから、それを促進したいという理由。
この2つらしい。要は、みんなもっともっと私たちのことを知ってライブを見に来てね、という思いをそのままルールにしたということらしい。
私を応援してくれる人の中には、私たちがメインで活動しているエリアから遠い場所にいて、そんな簡単には足を運べないという遠隔地ファンもいる。そういう人たちに対してはちょっと申し訳ないなという気持ちにもなるけれど。
でも、現場に来てくれるファンというのは、言ってしまえばお金と時間を私たちに投資してくれている人たちだから、その人たちに対しては少し特別な対応をしてもいいよ、というルールについても、私はわりと納得感をもっている。

これからも変わらず

もちろん、この先どういう風になっていくか分からない。今のところ、このSNS運用ルールでやってきた中で大きなトラブルみたいなものはなく、各メンバーとも与えられたルールの範囲内で好きにSNSをやってファンとの交流を楽しんでいると思う。
けれど、もっともっとファンが増えていったときでも同じままでいられるかは分からないし、この状態で何か問題が発生したりしたら、きっともっとルールは厳しくなる。
私としては、今より厳しいルールを課せられたくはない、という気持ちは強くあるので。私たちメンバーがまずちゃんとルールを守って変なことをしないことが一番大事。そして、ファンのみんなにも、そういう私たちの気持ち、グループの方針をちゃんと分かってもらって、今のこの時間をこの先も続けていくことができたらいいなと思っている。

次回予告

今回も前後編に分けようかな、と思ったりしたけれど、一気に書ききってしまった!
次は何について書こうかな。ライブそのものについて、私はあまりちゃんと書いたことはないなというのもあるし、特典会という、私たちにとってはもう日常だけど、よくよく考えてみると地下アイドル文化の象徴みたいなものなので、改めて語ろうと思ったらいろいろ書けるかもな、という気もする。
なので、そういう「今の私たちにとっては当たり前すぎるくらい当たり前のこと」を改めてじっくり考察する回、を検討したいなと思います。
お楽しみに!

いいなと思ったら応援しよう!