一緒に過ごした猫の話
学生だった頃の話
天気が良かったので
友達と2人で散歩にでかけた
街から外れ
山に向かって
その途中
小さな鳴き声がする
よくよくみると
畑の中に
片手のひらにのるくらいの
ちいさなちいさな仔猫
アメリカンショートヘアみたいな柄だった
もそもそしている
目も開いていない
捨てられた様子
抱き上げてはみたものの
戻したところで
人通りのないところ
連れてかえった
とりあえず
うちであずかることになる
(ペットが飼えるとこではなかったのだが)
なにをあげたらよいかわからず
ミルクをのませたのだったかな
そのうちなぜかお腹がふくれてきた
心配でペットショップへ相談に行った
便がでてないからとかなんとか
母猫がいないととかなんとか
帰って濡れたガーゼでお尻をつついて
うんちを出そうと試みた
でたのかどうか忘れてしまった
名前がなかった
5月だったので
めいと名付けた
めいのベットを作り
一緒に一晩過ごし
次の日
わたしは洗ってやろうと思った
洗面器にお湯を張り
めいを洗った
そのあと箱のベットに入れ
湯冷めしないように
こたつで温めた
しばらくして
ほとんど泣かなかっためいが
みゃーみゃーみゃー
と何か訴えている
手のひらにのせ
からだをさする
だんだん手のひらのうえで
よわってくるのがわかる
みゃーみゃーも徐々に小さくなり
泣かなくなった
からだもくったりとして動かなくなった
死んじゃった
なみだがでてきた
めいをつついても
さすっても
もう動かなかった
洗わなきゃよかったかな
医者に行けばよかったかな
寒かったかな
いろいろ考えた
しばらく動けなかった
やがて落ち着いて
友達と一緒に
山の上の鉄塔の横に
めいをベットにいれて
小さなタオルをかけて
掘り起こされないように
深く埋めた
そこからは街が見下ろせた