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「自分を振り返る時間なんて一度も教わらなかった」

リモートワークに、地方移住。
理想の暮らし方を実現し始めたが、なんだかしっくりと来ていない。世間の理想を実現してきたが、自分の中でしっくりと来ていない時間が流れている。その原因はなんだろうか。
世間的に言われる、いわゆる「理想」に近い今を過ごしているけど、なんだかスッキリしない方にお読みいただきたい記事です。

過去の経験からできること探しをしてきたキャリア

「大きな努力をせずに、周りから見て『これは良いよね』という声に耳を傾け、これまで歩んできました。今はフルリモート(全く出社しなくてOK)の職場で、夢だった地方移住も叶えました。子どもが育つ環境として手に入れたい環境にいることができています。でも本当に自分が叶えたいこと、ありたい姿が見えなくなってしまいました。」

実は、このようなご相談は多くあります。
家族、友人・知人はたまた新聞メディアでの”トレンド”に順ずるように手に入れてきたこれまでの環境。昨今でいうとプログラミングスクールやMBA、その他資格取得も然りです。

誰かが歩んできた道やつくったトレンドの上を歩くことも、時には必要です。自分で考え抜いた結果、その道を歩むと決めた”時”は、です。しかし、多くの人が忘れてしまっているのが「なんで自分はこの道を歩みたいのだろうか」という自分自身との対話です。

僕たちがこの事業を始めて以降、多くの人(経営者、個人事業主、会社員、主婦など)に会ってきましたが、自分との対話ができている人は5%以下でした。驚く数字です。
ゆえに、従業員が疲弊しているにも関わらず会社の目標にしがみついて離職率が改善されない企業。他者が納得できる背景を伝えられずサービスが売れない個人事業主。今の勤め先でも前の勤め先でも結局「なんで働いているんだろう」とスッキリとしない会社員…これらの根本的な原因は「自分の進む道」を自分で言葉にできないことです。

子どもの教育環境を見据えた移住とこれから

今回のご相談者さまは、僕たちからみたら順風満帆な生活を送っていそうなとても素敵な方。子どもが豊かに育っていくために首都圏から長野県に移住し、数カ月。引越や手続きなども重なり忙しい時期だけど、楽しい時期なはずです。

しかし、「子どもが豊かに育つ環境=地方」「自由に働ける環境=リモートワーク」と誰かがつくった概念で自分自身の生活や働きかたを決めてしまったがゆえに、自分自身がどこを目指していたのかが不明瞭になってしまいました。

そう『誰かがつくった概念の上を生きていくことは今の時代では難しくなっている』のです。それは情報化社会が関係しています。情報化社会になる前は、誰かがつくった概念、道を辿っていくことで上に行けると思うことができました。それは他の情報が制限されていたからです。しかし、今の時代は誰もが、世界中の情報を得ることができるようになりました。そのため、一つの道を選んだとしても「他の道の方が良かったかもしれない…」と感じ、その考えを肯定するための情報を集めてしまうからです。
「隣の芝生は青いよね、やっぱり」と自分に言い聞かせるための情報を集めてしまう、ということです。

それでは、どうすればこのような状態から脱却できるのでしょうか。
それは、「自分が歩みたい道」をつくってみることです。まずは自分がどのような体験や経験を積み重ねてきたのか。その体験や経験をする中で、どのようなことを感じ、学んできたのか、を可視化していく必要があります。

学校や会社で教えてくれることは「誰かがつくってきた道」を教わることです。『自分が創っていく道』を教えてくれる場所ではないのです。

学校でも、社会でも教わらなかった「自分史」づくり

今、多くの学校や会社が育成に苦慮しています。それは誰もが『自分が創っていく道』を教わったことも、教えたこともないからです。つまり、体系化されていないのです。一生懸命模索し、自分なりの解を得た人や会社が活躍し始めたばかりの社会なんです。

だからこそ、チャンスと捉えて欲しいと思います。
誰もがやっていないことに、自分が先に挑戦すること。その行為自体が、自分の道づくりの一歩目であり、自信を持ち始める第一歩になると考えています。

Sさんは、僕たちとの会話を重ねていくうえで「自分の体験の振り返り時間」が足りなかったことに気付きました。その気付きが気持ちよく、そして未来を見るキッカケになったと言います。

過去の日記を読み返しながら、未来の日記を書いていく

僕たちのサービス、関わり方をこのように表現してくれました。
多くの人が「これから、なにを学び始めれば良いですか?」とご相談に来られます。しかし、僕たちにお会いしてくださる方のほとんどが既に知識や知恵、情報を持っています。学び始める必要はなく、「なんで、その知識や知恵、情報を持っているのか」を一緒に考え、自分自身が心地良い状態を言葉にすることで未来を描くことができるようになります。

僕たちの関わり方は、指示することでも、教えることでも、説教することでもありません。ご相談に来てくださる方の人生や思考を体験し、その人になったつもりで一番動きやすく、継続しやすい一歩目を言葉にしていくことなのです。

Sさんの物語は繋がり始めました。これから、どのような未来の日記を描いていくのか、引き続き一緒に考え、創っていきたいと思います。

学校でも、会社でも教わらなかった『自分の道づくり』をキャリアツーリズムを通して届けていきたいと思います。


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