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細枠貼り付けミラーの実力
細枠貼付けミラーって何?
大ヒット商品を保有しているメーカーは有名どころが多い。
赤城乳業の「ガリガリ君」
日清製粉の「カップヌードル」
実は当社、千代木工にもヒット商品なるものがある。
当社ブランド「SENNOKI」ではリブラシリーズ。
千代木工の商品名では「細枠貼付けミラー」。
通常、枠付きのミラーは、枠→鏡→裏板と重ねて裏から留める。
絵やポスターの額縁と同じ要領である。
「細枠貼付けミラー」は、
先ず、枠と裏板を組み立てて上から鏡を貼り付けている。
その名の通り1cmの細い枠にほぼフラットに鏡がはまっているので、
鏡面が広くて映りがすっきりしている。
![](https://assets.st-note.com/img/1639227013187-RQnOm3swJL.jpg?width=1200)
当社がこの製法でミラー商品を作り始めてから約25年。それからずーと売れ続けている大ヒット商品なのだ。
その商品はどのようにして生まれたのか?
今から30年ほど前、家族経営の下請け零細企業のお話である。
中堅卸業者の下請けとして木製生活インテリアを製造していたその工場に、
一台のサンプルが持ち込まれた。
それは、アルミ製の1cmほどの枠に、
ほぼ段差なく鏡が埋め込まれているミラー商品。
そして、それを木枠で製造できないかという依頼だった。
アルミは薄く加工も容易なので、
端を曲げたところに鏡がはめ込まれている。
木の枠では、通常裏から鏡を落とし込み裏板で蓋をする。
そうなると、枠の幅は少なくても15mmは必要になる。
代表者の息子(現社長)は考えに考えて、
細い枠を先に作ってから鏡を上から貼り付けることを思いつく。
またそこからが試練の始まりである。
鏡は決まった寸法のものを業者に発注する。1mm狂いが生じると、小さければ隙間が空くし大きければ入らない。
通常の製法ならば、2~3mmの遊びがあるので誤差は気にならないが、
細枠製法は誤差が1mmなのだ。
仕入れ業者に精度をお願いしたものの、
そちらが精度を出してくれても、木枠にも精度が求められる。
木は反ったり膨らんだり、気まぐれである。
最初の何年かは試行錯誤の連続であった。
その最中でも「細枠貼付けミラー」は、爆発的売れた。
今までにない、1cmのスリムミラーでどこにでも馴染むし、
木枠と鏡がフラットなので鏡面が広く映りが綺麗。
儲かったのは卸業者であったが、
弊社もとりあえず仕事があったのは、細枠のおかげなのだ。
そして、その実力
それから20年ほどたってその卸業者から、
細枠貼付けミラーの注文はあまり来なくなった。
商品にはライフサイクルというものがある。
20年以上売れたのだから御の字ではあるが、
仕事が徐々に減って行くことは目に見えてわかっていた。
リーマンショック後は、今までのようなロット生産の受注は滞り、
当社は経営危機に直面する。
そして「木枠ミラー専門店 SENNOKI」オンラインショップを立ち上げ、
自社販売を開始した時、自信を持って提供できる商品は、
細枠貼付けミラーだけだったのである。
木枠の色を10色に増やし、本体金具・壁面金具ともに付属して、
届いたらすぐに使えるサービスを提供した。
また一方でOEM商品としてネット販売業者に、
1台ずつの受注生産で細枠の商品提供を始めた。
細枠貼付けミラーのライフサイクルはまだ終わってなかった!
「画像で見るより実物の方がいい。」
「すっきりしていて、本当に部屋になじむ。」
今では、細枠の製法で5cmの太い枠や、
高級材を使った商品も開発している。
メーカーは、自社が作る商品によって助けられる。
アイディアや苦労や努力。
商品開発にかけた汗の分だけ、光が見える。