休日の朝に
仕事が続き、やっと休みがとれた。
家事がたまっているのに、こたつから動けないでいる。
ひとり暮らしは自分に甘くなり、何事も後回しにしてしまう。
元来怠け者なのに、島に移住してからはよく働いている。
もっとも、働かないと生活できないからではあるが。
しっかり働いてきたならば、今ごろは悠々自適だろう。
選択肢がなかったからではなく、移住する前から決めていた。
土や植物を扱える仕事がしたいと。
最初はホテルの園芸で花作りをした。
仕事は楽しかったが、そのうち、ホテル内に飾る植物を任される。
アルバイトなのに社員並みの責任を持たされ、馬鹿らしくなり三年でやめた。
それから農業支援センターに登録して、あちこちの農家の手伝いをする仕事についた。
居心地がよくて、二十年ほど続け、最年長になる。
ここ数年は数軒の農家に直接頼まれて手伝いをしている。
しかし、やはり寄る年波、去年からは収穫時だけ。
ほかの時期は民宿の掃除だ。
なんだか辛い人生を送っているように思えるが、いたって呑気なものである。
もくもくと働き、だれやみ(疲れをとる晩酌)をする。
人との関係も淡白で、問題はないし、休みも多い。
ただ身体が劣化しているのは否めない。
庭の草取りも追いつかず、種まきもできない状態だ。
以前のように出かけることも少ない。
でも、まあいいか。
眩しいほどの光が注いでいるから。