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きちりHDの歴史

いらっしゃいませ。情報屋『まあに』へようこそ!
いつも変わらない、安定の「わかりやすい経済の話×外食企業の詳しい歴史」味です!

まあに店主

 今回は、ピザやステーキなどのレストランを主に関西で展開する、きちりHD(3082)の歴史について解説します。
記事を読む間に流してもらいたい乗れるBGM:
どっちが好きですか?
 
テトリス

 
クラシック


 

大阪府大阪市


きちりHDの創業者 平川昌紀(ひらかわ まさのり)さんは、大学時代に日本マクドナルドを創業した藤田田の著書「ユダヤの商法」を読み、
[人間は毎日食べるので 飲食業は決して無くならないビジネスである]
[外食業界は参入障壁が低い分競争も激しいが、世の中には『78:22の法則』というものがあり、人間は100%の仕事をすることは不可能、どんなに最強と思える競合飲食店でも22%はミスをしていて完璧なサービスを提供できているわけではないので、競合のミスを見つけ自社でそこを補うサービスをすれば勝てる]
という教えを得て、将来 飲食業で起業しようと決意されました。当時はアメリカのマイクロソフト社がオフィスのパソコンでWordやExcelを使えるようにするソフトを発売し、その日本語版がいよいよ日本でも発売されるかという時だったので、インターネットが注目されており、大学の友人から「飲食業よりもインターネット業で起業した方が良い」とアドバイスされたりしたのですが、平川さんは決意を変えませんでした。飲食店が好きな平川さんは、大学生の間 肉体労働のバイトをしてお金を貯めては高級なホテルレストランなどで食事をする生活をされていたみたいです。平川さんは、1993年に大学を卒業されました。

知らない人に話して売り込むという、営業スキルが今の自分には無いと考えられた平川さんは、新卒でリゾート開発の会社に入社され、リゾート会員権の販売を始められました。厳しい職場で怒られることも多かったのですが、そこで平川さんは
「誰も、草野球の選手にヤジは飛ばさない。ヤジを飛ばされるということは、こちらがプロフェッショナルと認められている証拠だ」
と前向きに考えていたそうです。入社1年目で全社員の中で一番稼げるエリートということで表彰され、2年目には部下6人を付けられるほどになりました。起業するための軍資金を十分に貯めることができたと考えた平川さんは、会社を辞めて1997年 モスバーガーにFC加盟しました。FC店舗を運営する中で、原価率をどのくらいに設定すべきか・衛生管理をどこまで徹底すべきか などの感覚を身につけたそうです。はじめは、繁忙のタイミングを見極めてここではバイトにたくさん入ってもらうべき・ここの時間帯はあまり忙しくないのでバイトを減らすべきなどを判断するのが経営初心者だと難しいので、人件費率(売上に対する人件費の割合)を管理することが上手くいかず、全く利益が出ない状態が続いたそうです。しかし、トライアンドエラーを繰り返しながら奮闘した結果、1998年にはエリアでナンバー1の業績を上げることができました。

1998年7月 29歳の時、平川さんは有限会社吉利を設立しました。1989年(平成元年)の酒税法改正によりウイスキー・ビールにかける税金が安くなったので、酒類を安く販売するスーパーマーケットなど小売店が増え始め、若者や主婦の間でも酒が親しまれ居酒屋にそれまで行かなかったOLやファミリー層も行くようになり客数が増えてきました。そこで平川さんは、比較的参入障壁が低いと考えられる居酒屋を、大阪府大阪市に出店されました。結果的に話題の人気店となり、関西圏で約40店舗を展開できるようになりました。創業から間もないので、まだ従業員と信頼関係を築けておらず、他の社員に管理を任せるのは危険と考えた平川さんは、人材採用・給与計算・仕入れ計画などを一人で行っていたため、作業量が多く寝る暇も無かったそうです。

現在の大阪市の中央を南北に伸びているのは、上町台地(うえまちだいち。大阪平野の上にある)です。

兵庫県南東部に位置する六甲山地は、約260万年前から隆起をはじめました。その代わり、大阪平野は沈降を続けました。そのため大阪平野は、時代によって海になったり陸になったりする微妙な位置まで沈みました。2万年ほど前最後の氷河期があり、その時代 海面が低下していたので、古大阪川が大阪平野の中央部を流れ、現在の淡路島の南端あたりを通り 太平洋に流れ出ていました。そのため、土砂が堆積して大阪平野が約10mほど高くなりました。上町台地は大阪平野の中央部にあるので、古大阪川による堆積が作った台地だと分かります。
最後の氷河期が終わり、約1万6000年前(縄文時代)に暖かくなってからは、氷河が溶けて海面が上昇し、紀伊水道(四国東部と和歌山県の間にある海域)が海になる・大阪平野の中でもより低地の河内低地も海になりました。その中でも辛うじて陸地だった上町台地の上に、琵琶湖から流れ出る淀川によって運ばれた大量の土砂が堆積し、現在では台地の標高は一番高いところ(大坂城天守閣跡)で38メートルだそうです。大阪府北部には標高の高い能勢町(200m以上)や生駒山地(300m~400m)などがあるので、上町台地は大阪内で低い方の地域であることが分かります。

基本的に年中、華南(中国南部)にある揚子江気団から吹いた温暖な風が 海上を通る間に水蒸気を含みながら、大阪と淡路島の間の海(大阪湾)を通って大阪府内に流れ込みます。この風が大阪府北部の山々でぶつかって雨雲が発達します。そのため、箕面市(みのおし)や枚方市(ひらかたし)など大阪府北部にある市は年降水量が多いのですが、大阪市の年降水量は枚方市より100mmほど少ないです。大阪市は降水量は少ないのですが、琵琶湖や奈良県北部の山の近くなので市内を淀川や大和川が流れており、水不足ではないようです。しかし、
「1990年代に市内に学校・オフィスをつくるために貸し出す高層ビルができたり 近くに関西国際空港ができて住みやすくなったので、大阪市には事業所が多く、特にスーパー・コンビニに商品を供給する卸売業が盛んで、2002年 大阪市には全国の卸売業年間販売額合計のなんと10%以上がある状態になり、大阪市にはオフィスビルが沢山建つようになったので、根が成長して施設を損壊する事を怖れて公園内の樹木や街路樹などが伐採されてしまった」「1991年にバブル経済が崩壊し税収が減ったにも関わらず、大阪府は借金しても関西国際空港や国際会議場・海洋博物館など巨大建築物を作り続け、結果 1991年度末以前は1兆3000億円前後と一定水準であった地方債残高は、1992年度末以降急増し、1998年度末には10年前の2.8倍の3兆6000億円にもふくれあがり大阪府の財政が悪かったので、府が森林管理コストを払うことができなかった」
などの理由で、2000年代の大阪市には樹木が少なかったようです。
また、大阪市の辺り(大阪平野)は、北には兵庫県南東部にある六甲山地・東には大阪府と奈良県の境にある生駒山地・南には大阪府と和歌山県の境にある和泉山脈があり、その上 西から揚子江気団からの暖かい風が常に吹きこんでいるので熱が逃げ出さずにたまり、大阪平野は暑くなるようです。
大阪市は、降水量が少なくて暑い、市内を川が流れているため水不足ではないものの樹木は少ない地域であるということが分かりました。

2001年には大阪を代表するテーマパーク USJが開園し、
[「大阪に工場が集中しすぎなので、全国に分散させるべき」と考えた政府が1964年に、大阪湾岸沿いに大規模工場の新増設を全面的に禁止する工場等制限法を施行した結果、完全失業率が増え域内総生産が減り2000年時点で全国人口の15%がいる近畿の経済が絶望的に悪くなり、慌てた政府はこの法律を2002年7月に撤廃し、以降 大阪圏における工場着工が激増した]
結果、大阪市の総人口は毎年ゆるやかに増え続け、同市の世帯数も「1995年:110万世帯」「2000年:120万世帯」「2005年:125万世帯」と増えました。
平川さんが大阪市で居酒屋運営を始めた2000年頃から、大阪市は人口が増えていくので、平川さんの居酒屋は繁盛しました。

リーマンショックとInstagram


2002年に神戸市中央区、2005年に大阪市中央区に居酒屋を開店し、2007年6月末には34店舗(関東1店舗・関西33店舗)を展開していた平川社長は、2008年にリーマンショックによる消費の落ち込みを経験され、他社が低価格路線に舵をきる中、きちりHDは2008年6月時点で 店舗数が48店舗しかなく、十分にスケールメリットを活かすことができないので原価を下げることができず、安売りすると利益が出ないと考えて、高級路線にシフトされました。さらに、時代が経つにつれて 2000年代に店舗拡大したワタミ(2000年度末:186店舗・2009年度末:645店舗)やモンテローザ(1993年:100店舗・2002年:1000店舗)など競合が増えてきて競争が激しくなり 昔より味が追求される時代になったので、平川社長は本社の監視が行き届かず味が落ちやすいフランチャイズ店の割合を、2005年から減らし始め、2008年には全店直営店にしました。

2007年6月時点で、きちりHDは居酒屋店舗しか展開していませんが、2008年6月から個室で鯛のアラの煮込みやお造りなど和食を味わえる「きちり真菜や」を、2009年11月から脂肪分が少なく濃厚な味わいのカラダに良い鶏ガラスープの専門店「純正コラーゲンスープ店」を、2010年9月から高級イタリアンの店でピザ生地を焼くのに用いられている石窯で焼いた表面は香ばしく中はジューシーで肉汁あふれるハンバーグの専門店「いしがまやハンバーグ」を展開し始めました。
2007年に高級料亭 船場吉兆の産地偽装や食べ残しの再提供が発覚したり、2008年に米の販売業者 三笠フーズが農薬が残留していたりカビが生えている工業用糊メーカーに売るべき事故米を、自社が犯人だとバレないように知り合いの会社に転売した後、酒造会社や菓子メーカー 外食企業に食用として販売していた事が発覚したりなどの外食の信用に関わる事件が起き人々が外食を控える動きも出てきたので、きちりHDをはじめ多くの外食企業は多角化しなければ生き残れない時代に入ってきたのでした。
多角化して居酒屋の他にも和食店やハンバーグ専門店などをつくった結果、きちりHDの売上高は「2008年6月期:41.5億円」「2011年6月期:52.9億円」と増え、2008年9月からリーマンショックが起きたので同社の営業利益は「2008年6月期:9400万円」から「2009年6月期:4700万円」にまで減ってしまったのですが、2011年6月期には1.4億円にまで成長しました。

きちりHDは2010年から、業務用アプリを開発する株式会社エアネットと業務提携することになりました。
株式会社エアネットが開発・運用する
「随時 店舗・本社間で情報を共有できるので、飲食店舗が手書きでメモした予約内容を営業終了後エクセルに入力して本社に送信という手間のかかることをしなくても良くなる。さらにボタンを操作すると、過去のデータが表示される・同社の展開する他店舗の予約状況を確認できるので、予約時にリピーター客に『いつもご利用ありがとうございます』といった一言を付けられたり、自店舗の予約が一杯だったときに『こちらの店なら開いているので予約を取れますがいかがなさいますか』と勧めることができる」クラウド型予約管理システム リザーブキーパー
をきちりHD店舗で実際に利用して改善点を洗い出し、同社がそれらの改善点をもとにリザーブキーパーを株式会社エアネットと共同でより良く改良していこうという事です。
リザーブキーパーを利用する内、
[客によってはトマトが苦手、キュウリが苦手というように苦手な食べ物がある場合が多いので、その客の苦手な食べ物をメモしておいて、ボタン操作でその情報を確認できる機能があれば、次回同じ客が予約電話してきたとき「〇〇様はトマトが苦手とお伺いしていましたが、今回もサラダをトマト抜きでご提供してよろしいでしょうか」と質問して丁寧な対応ができるので便利]
[毎回決まった席に座りたい客も多いので、前回その客がどの席に座ったかをメモしておいて、ボタン操作でその情報を確認できる機能があれば、次回同じ客が予約電話してきたとき「いつものお席でよろしいでしょうか」と質問して丁寧な対応ができるので便利]
[予約していたことを忘れて無断キャンセルされると、そのため食材費や人件費が無駄になってしまい飲食店にとっては痛手だが、特に仕事帰りのサラリーマンがメイン客層の居酒屋は仕事上の都合でスケジュールが合わなくなりそのまま無断キャンセルという人が多い。こちらによる店舗の被害を最小限にとどめるには、予約の時間の少し前に電話をかけて来れそうかの確認を取る必要があるが、いつ誰に電話をかけるべきか分からずかけわすれる事があるので、その情報が一目で分かる機能があれば便利]
である事に気がついたきちりHDは、そのように変えるべきだと提案し、株式会社エアネットはリザーブキーパーに改良を加えました。
結果、2012年はじめからリザーブキーパーを利用しているジェイグループホールディングス(3063)は、従業員の手間が省けて人件費削減ができたり、店が好感をもたれるようになり売上アップにも繋がったので、同社の売上高は「2010年2月期: 90.9億円」「2015年2月期: 136.7億円」と成長し、同社の現金及び預金は「2010年2月: 4.6億円」「2015年2月: 7.5億円」にまで伸びました。
きちりHDは2010年から2020年の間(現在は不明)、リザーブキーパーを株式会社エアネットと共同開発・販売している会社(株式会社オープンクラウド)の株を50%以上持っているので、リザーブキーパーが売れれば儲けの一部がきちりHDにも入る仕組みでした。

2010年にマンションができたり、2015年に国道のバイパス道路沿いにショッピングセンターができたので住みやすくなり、市の人口が「2015年: 10.8万人」「2020年: 11.2万人」と増える埼玉県富士見市に、きちりHDは2015年、アスパラガスのホワイトクリームやトマトソースなどソースの種類や、ドレスをまとったようなひだのついた可愛い「ドレス」やライスの上にふわふわ卵が載った「クラウド」など卵ののせ方などを選べるオムライスがウリのカフェ『3Little Eggs』の店舗を作りました。
ちなみにきちりHDは、2015年に埼玉県さいたま市の駅東口直結の施設に 2016年に神奈川県に新たな『3Little Eggs』店舗を作りました。この頃Instagramに新機能「Instagram Stories」が追加され、友達ユーザーのプロフィール写真をタップするとそのユーザーが作った短い動画を見れるようになり、特に10代の若者を中心に大人気となり、ストーリーズの動画を撮影するためにスマホを構えたまま歩く中高生が増えました。2017年流行語大賞には、Instagramに写真を投稿するといいねが沢山つきそうな可愛らしい物を指す「インスタ映え」が選ばれたので、可愛らしい『3Little Eggs』のメニューの写真もInstagramで沢山紹介され、話題になりました。

2018年はじめは冬場の天候不順により野菜価格が高騰したり、2018年6月に大阪北部で最大震度6弱の大地震があり約1800億円の経済損失が発生したり、2018年9月頃に台風21号が発生して近畿地方を中心に甚大な被害を出したりして物流が滞ったりしましたが、さまざまな施策を打ったきちりHDの成長は止まらず、売上高が「2017年6月期: 88.5億円」「2018年6月期: 92.4億円」と増えました。

米中貿易戦争とコロナ


2013年から始まったアベノミクスのおかげで円安になり輸出がしやすくなったので、「2015年:6249.2億ドル」「2016年:6450.5億ドル」「2017年:6983.3億ドル」と毎年日本の輸出額は増えましたが、
[2018年1月に中国政府が2017年の対米貿易黒字額(ドルベース)は過去最高を更新したと発表してアメリカ政府が「中国の経済力を弱めなくちゃ危険」と判断したことをきっかけに、アメリカ・中国間で関税をかけ合う米中貿易戦争が激化することになり、主に中国・アメリカと貿易している日本経済にも悪影響が出てくる]
[インバウンドの訪日外国人が「2015年:1974万人」「2016年:2404万人」「2017年:2869万人」と毎年増えてきて、観光庁が空港・観光施設・道の駅などに、外国人旅行者が道を聞いたり近くのおすすめレストランを教えてもらえる外国人観光案内所をつくった事により便利になり、2018年も訪日外国人の人数は増える予想なので、飲食店の売上げは増えそうですが、
店のスタッフに外国語ができる人が少ないのでコミュニケーションがとれない・東京大阪など人通りの多い都会の駅ではマナーが成っておらず不快を感じる外国人もいる・多くの欧米諸国で鉄道会社は国営であり 設備には国からの援助が出ているので運賃が安いが、民営の日本の鉄道には国からの補助がほとんど無く運賃が高いので移動に不便
なので、訪日外国人の数が今後も増え続けるとは限らない]
ため日本経済・個人消費は今後どうなるか分からない状態になりました。

個人消費が低迷する中でも興味を引くため、さまざまな店を出して客足を確保しなければと思ったきちりHDは、2018年7月にご飯や麺にカルビやナムルなどを自由にトッピングできるビビンバ専門店『VEGEGO』や 高級茶葉を使った紅茶や宇治抹茶やほうじ茶などのミルクティー専門店『CHAVATY』を、同年11月にソースカツ丼ならぬ「おろしポン酢かつめし」やピザのようだがカツと一緒なら和食になりご飯と合ってしまう不思議を体験できる「とろーりモッツァレラチーズのトマトかつめし」など変わったメニューが沢山あるカツ丼屋『元祖 変わりかつめし専門店 かつゑもん』を開店し、ブランド数をとにかく増やしました。さらに2019年7月に石窯で焼き上げた100%ビーフのハンバーグを贅沢にサンドしたハンバーガー屋『いしがまやGOKU BURGER』を、同年10月に福岡県のブランド地鶏 はかた地どりを使った親子丼や 蒸しあげてから強火で焼くので表面は香ばしく中はしっとりとした焼き鳥などを提供する『ひな鶏 伊勢ゐ』をオープンしました。

2020年1月からコロナ禍が始まりパニックになりましたが、逆にこれをビジネスチャンスだと捉えたきちりHDは同年4月から、宿泊施設や飲食店の除菌洗浄を低価格で代行する除菌サービス事業をはじめました。
またきちりHDは、同年5月から居酒屋の入り口に次亜塩素酸水の霧を全身にふきかける装置「じあくぐりん」を設置しました。装置一つ導入するのに、98万円(税別)かかりました。しかしこれは失敗でした。厚生労働省も「次亜塩素酸水で野菜や肉を洗うと表面に付いているウイルスを除去できるのは確かだが、全身に吹きかけて殺菌効果があるのかどうかは不明」と述べており、また次亜塩素酸水の霧を吸い込んだ場合の安全性については十分に証明されていない事が同年6月に発表されたのもあり、じあくぐりんの設置は無駄と考えられたので、同年6月からきちり店舗のじあくぐりん使用は取りやめられることとなりました。
外食ばかりを攻めるのが不安になってきたきちりHDは、2021年4月 兵庫県神戸市に、簡単なカウンターが付いておりその場でも飲食できるイタリア食材スーパー「ローマ商店」を開店しましたが、
「パン・生クリーム・チーズなど 外国文化の食材があふれている現在においてはあまり物珍しさがないため、イタリア食材を揃えても客が特別買う気にならない」・「スーパーは一時期でも品切れがあると失望され客足が遠のくためメーカーから頻繁に仕入れなければならないが、長い付き合いのスーパーに商品を売りたがるメーカーは新しいスーパーにはなかなか卸してくれない」
などの問題があり、売上高が大きく落ち込んだコロナ問題への対策として十分とは言えず、きちりHDの売上高は「2021年6月期:56.2億円」「2022年6月期:69.2億円」と増えたものの、「2021年6月期(営業利益):-13.7億円」「2022年6月期(同):-11.2億円」とまだまだ赤字が続きました。

きちりHDの子会社である、求人企業に応募する際 企業が設定した質問に動画で答えて送る事ができるので、人事担当者は対面面接をする前にある程度応募者がどんな人か分かり選考が楽になるシステム『ApplyNow』を提供する株式会社オープンクラウドが、求人サイトを運営する大企業 株式会社マイナビに認められ、マイナビバイトでも『ApplyNow』の機能を使えるように、株式会社マイナビは株式会社オープンクラウドと2020年5月に資本業務提携を締結しました。
リクルートのシステム作りに力を入れるとマイナビのような大企業とコラボできて、自社の名声を上げることができ宣伝になると気づいた株式会社オープンクラウドは、コロナ禍により普及が進んだWeb選考のシステムを2021年2月から格安で提供し テレビ東京の番組『ゼロから分かるデジタルライフ~DXで未来が動き始めた!~』で紹介され、結果 ApplyNowの認知度が上がりました。すると株式会社オープンクラウドの親会社であるきちりHDの優秀さも有名になり、きちりHDが自社を管理するために使っているWEBシステムを使わせてくれと他社から持ちかけられる事も増え、きちりHDはそれを提供する代わりその会社の外食チェーンと共同購買して 大量に仕入れ原価を安くできるようにしました。
そのためきちりHDは「2019年6月期:99.1億円」「2020年6月期:80.5億円」「2021年6月期:56.2億円」とコロナ以後 年々 売上高を落としていましたが、2022年6月期には69.2億円となり同期には黒字の純利益を出すことができました。

会社に現金が貯まってきたので、きちりHDはそのお金を使ってセントラルキッチンを作り そこで作った途中まで調理した料理を各店舗の厨房に送る仕組みを築きました。その結果 2022年8月に、キッチンスペースが小さいフードコート店舗でも石窯で焼いた絶品ハンバーグ・厳選したこだわり牛のステーキを厚めの鉄板に乗せて提供する『ハンバーグ&ステーキ いしがま工房』を出店する事ができました。
また、2023年4月よりきちりHDは、それまでの外食のチェーン運営で得た商品開発や物流・店舗運営のノウハウを利用して、ふるさと納税の返礼品の製造社の原材料調達支援や その会社を管理するためのWEBシステムを提供する事業に参入しました。まずは、「2019年度:6.3億円」「2020年度:34.2億円」「2021年度:77.2億円」「2022年度:87.5億円」と納税実績が年々増えており、返礼品に特大むきエビや食べやすく甲羅を外したカニ脚など食料加工品が多いのできちりHDのノウハウを活かしやすい、福井県敦賀市のふるさと納税関連企業を援助しているようです。

今後 きちりHDが、どのように世の中を変えていくのかに注目ですね。

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お疲れ様です。
貴重な時間を割き、お読みくださいましてありがとうございました。

次回は、フランス料理やイタリア料理などの高級レストランを展開する、ひらまつ(2764)の歴史について解説します。
お楽しみに

まあに店主

サムネイル内で使った画像の引用元:
https://v-tsushin.jp/interview/kichiri_46/

https://www.brand-yurai.net/detail/KICHIRI%EF%BC%88%E3%81%8D%E3%81%A1%E3%82%8A%EF%BC%89.html

https://kichiri.jp/ishigamaya/

まあに社の業績:

年間全体ビュー数10000を超えれば、我が社の社長・社員のコメント(できれば顔写真も)を公開します!気になっちゃった人はお友達に、まあにってヤツオモロイぞ、と宣伝してね★

(・o・)<露骨に釣ろうとしてんじゃねーよ

もう一品いかがですか?

ちなみに、次回作(ひらまつの歴史)を提出するのは年間全体ビュー数10000を超えたときにしようと思います。

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まあに(SSR)
その100円が、まあにのゼンマイを回す