第7回精神科専門医試験解答・解説

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1. b
アカンプロサートカルシウム(レグテクト)はNMDA受容体に結合してその機能を調節し、グルタミン酸の過剰による症状を改善すると考えられている。

2. a
a. セルトラリンは、他のSSRIに比べて、肝薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)に対する阻害作用が弱い点が特徴である。ジゴキシンとの併用での不整脈の増加は報告されていない
b.セレギリンは全ての抗うつ薬と併用禁である。
c. フルボキサミンはCYP3A4阻害作用があるためワーファリンの作用を増強する。
d. 非定型抗精神病剤、フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤、アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症剤、ワルファリンカリウムなどで出血傾向が増強することがある(機序不明)。
e.NSAIDsは腎機能を低下させるため血中リチウム濃度が上昇する。

3. b, e
a.辺縁系に局在を有するてんかんで、持続の短い振幅の小さな双極性障害が頻繁にみられることがあり、これを発作間欠期不機嫌状態という。(専門医p360)
 てんかん性不機嫌状態も挿間性精神障害の一つで、意識障害はほとんど目立たず、易刺激性、抑うつなどの不機嫌状態が一定期間持続する。(現代臨床p223)
b.d.欠神発作重積状態は小発作重積状態ともいわれ、脳波上に3Hz前後の棘徐波複合が連続して現れる。やや不規則な棘徐波複合が間欠期なしに連続性に出現し軽い意識障害を示す症例が多く、これは棘徐波昏迷とも呼ばれる(現代臨床p221)
e.脳波には強制正常化、すなわち精神症状が出現する時期に、かえって脳波上突発波が消失して規則的なα波が出現し脳波が正常化する状態が見られる場合が多い。精神症状と脳波異常が交代して出現するので、交代性精神病ともよばれる。(現代臨床p223)

4. c
不均等症候群は血液透析導入初期に起きやすく、全身症状と中枢神経症状が出現する。脳細胞内外での尿毒素や電解質の不均衡により起こる脳浮腫が原因であり、透析導入時に緩徐な透析を繰り返し実施することによって防止可能である。

5. b,e 類1-53、3-50、6-15、9-15
統合失調症の予後不良因子としては緩徐な発症、若年発症、発症当初から陰性症状が顕著であること、気分障害的・周期的な経過でないこと、統合失調質の病前性格、発症に誘因がないこと、統合失調症の遺伝負因が挙げられる。

6. a, e
MARTAは糖尿病で禁忌である。腎不全では血中濃度が上がりやすいため注意が必要である。定型抗精神病薬はパーキンソニズムを惹起増悪させる可能性が高い。
答え;b,d

7. a, c
a.最初の脳卒中発作で認知症を呈することは稀である。(解答と解説p156)
c.アルツハイマー病では脳血管性認知症に比し、妄想を呈しやすい。
答え;a,c

8. b 類1-85
維持療法を受けている統合失調症患者の16~23%で1年以内に再発が認められ、治療を中断した場合の再発率は53~72%にものぼる。治療開始後1~2年以内に服薬が不規則になる患者の割合は40~50%であると言われている。
ガイドラインでの明確には推奨されていないが、1~2年間では不十分であろうと言われている。(解答と解説p44)

9. e
答え;a~dが正しいので消去法的にeと思われる

10. a,c
高齢者や女性では抗精神病薬によるパーキンソニズムのリスクが高い(解答と解説p59)とあるためアカシジアもこれに準ずるものと思われる。
治療の基本は抗精神病薬の減量、治療薬(β遮断薬、抗コリン薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、抗ヒスタミン薬)の併用、抗精神病薬の変更である。(解答と解説p58)
抗精神病薬による錐体外路系副作用が治療開始から出現するまでの期間は、急性ジストニアで数日、アカシジアで数日~数週間、パーキンソニズムで2~3週間、遅発性ジスキネジアで数年と言われている。(解答と解説p50)
答え;a,c

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