第4回精神科専門医試験解答・解説
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1.e
系統的脱感作法は行動療法の1種であり、古典的条件付けが基礎となっている。
①序列の構築:不安や恐怖の対象を主観的刺激の強弱の順に並べ、不安階層表を作る。
②弛緩訓練:リラクセーション・弛緩の状態を訓練により獲得する。
③刺激の脱感作:不安反応を誘発する刺激に曝露(エクスポージャー)する。
不安反応は弛緩した状態によって抑制されるが、これを逆制止と呼ぶ。
似た行動療法としては以下があり、これらも恐怖症や強迫性障害に効果がある。
フラッディング法:脱感作せずにいきなり強い刺激に曝露させる方法。
曝露反応妨害法:刺激に曝露しつつ、刺激を取り除く反応を妨害する方法。
フォーカシングとは、人間の体験過程とその象徴化の過程を体系化する技法である。
(インターネット)
2.a
刑事訴訟の過程で行われる精神鑑定には①被告人の刑事責任能力の有無に関する刑事責任能力鑑定、②被告人としての重要な利害を弁別して相当な防御をする能力(訴訟能力)の有無に関する刑事訴訟能力鑑定、③被告人の生い立ち・性格・犯行前後の心理状態などから裁判官に適切な処遇方法に関する知識を提供するための情状鑑定、④医療観察法に基づく鑑定がある。
刑事責任能力鑑定では、精神障害の有無とその影響、弁識能力(物事の善悪を弁別する能力)、行動の制御能力などについて評価する。
(精神科診療に必要な書式マニュアル)
3.d
Elisabeth Kübler-Rossが提唱した死の受容プロセスは①否認、②怒り、③取引、④抑うつ、⑤受容である。(インターネット)
4.c 類5-80、6-55
ab.遅発性ジスキネジアは情動的な興奮やストレスで増強する。運動部位を随意的に動かすことで軽快し、睡眠中は消失する。(インターネット)
cd.遅発性ジスキネジアの危険因子は加齢、女性、高用量、急性EPSの既往である。
e.遅発性ジスキネジアは抗精神病薬の服用開始後6ヶ月頃から増加する。
5.a
リチウムは胎児のEbstein奇形との関連が指摘されている。
6.be
強迫性障害では、眼窩前頭葉皮質・尾状核・視床の神経回路の機能変化が指摘されている。
前頭葉、大脳基底核(特に尾状核)、帯状束の活動性の亢進がある。
7.ae
a.分離不安障害の寛解率は96%で、1年以内に治癒することが多い。
b.愛着対象の人物の側で寝ようとする、分離を主題とした悪夢などの睡眠障害がみられる。
c.特異的ではないが、不登校の原因となり得る。
d.DSM-Ⅳ-TRの診断基準では広汎性発達障害・統合失調症・パニック障害は除外するが、うつ病性障害との併存はみられる。
e.7〜8歳に多いが、就学前にもみられる。
8.bd
b.DSM-Ⅳ-TRの強迫性パーソナリティ障害の診断基準に、使い古したものを捨てられないという項目がある。
d.自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、自己の誇大感・他者の評価に対する過敏さ・他者に対する共感性のなさである。
9.c
a.てんかんは乳幼児期と高齢期の発症が多い。
b.てんかんによる認知障害は、発作の頻発などによって生じている場合には可逆的である。
c.交代性精神病は、発作消失に引き続き精神病状態を生じる。(大島:日本臨床72(5);2014)
d.発作後精神病は、発作後1週間以内に生じるものと定義される。(臨床てんかんnext step)
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