第5回精神科専門医試験解答・解説

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1.cd 類2-1、4-10
転移とは、患者が過去に肉親などに向けていた感情、態度、防衛が、現在の治療者との間で再現される現象を意味する。

2.c
国内で流通している第2種向精神薬は、アモバルビタール、ブプレノルフィン、フルニトラゼパム、ペンタゾシン、ペントバルビタール。(厚生労働省ホームページ)

3.ac 類5-104
a.マタニティブルーは50~80%、産後うつ病は10~15%の発症率。
b.乳汁移行はブチロフェノン系薬、ベンゾジアゼピン系薬、抗てんかん薬、リチウムで多い。
c.産後うつ病は気分障害と強い関連性がある。
d.再発予防としての抗うつ薬の投与は推奨されていない。
e.マタニティブルーは出産後3~5日、産後うつ病は出産後1年以内に発症する。

4.c
強迫性障害は、性差はないが青年期では男性優位である。平均発症年齢は男性19歳、女性22歳で、2/3が25歳以前に発症する。強迫性人格障害とは異なり、ほとんどは病前に強迫傾向を認めない。薬剤の治療効果は部分的に留まることが多い。

5.e
社会恐怖は、注目の的になる状況・恥をかく行動に対する顕著な恐怖と、その状況の回避が基本症状である。低い自己評価、批判されることへの恐れと関連している。
(ICD-10診断ガイドライン)

6.b 類1-40、2-17、6-28、7-82、8-101、9-78
ADHDの治療は、まずは心理社会的な保護者や学校、子供への支援をまず行うことが前提である。薬物療法は適応上の不利益が著しい場合に考慮する。

7.d 類1-60、3-36
アルコール血中濃度が10~50mg/dlでは高揚・多弁となる。50~100mg/dlでは運動失調や言語障害が出現する。200mg/dl以上で意識障害が出現し、400mg/dl以上で昏睡となる。

8.d
a.妄想性パーソナリティ障害の特徴は、他人に対する不信である。
b.境界型パーソナリティ障害の特徴は、対人関係や同一性にみる不安定さ、複数の衝動行為、慢性の抑うつ・空虚感である。
d.自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、自己の誇大感、他者の評価に対する過敏さ、他者に対する共感性のなさである。
e.境界型パーソナリティ障害は症状が経過の中でほとんど変化しない。

9.ce
提唱した黒澤によると、ICU症候群とは「ICUに収容された患者にみられる環境要因、性格要因などの心理的要因によって生じた不安状態、抑うつ状態、幻覚妄想状態(反応性)などの精神症状をさす。身体要因が環境要因と絡み合って発症するせん妄も含まれる」とされている。(黒澤:ICUとCCU 20(9);1996)

10.ab(c?)
ac.全般発作の第一選択薬はバルプロ酸である。
b.治療目標は発作の消失である。

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