私がレンズをのぞく時
私は高校を卒業したあと写真の専門学校に行っている。
専門学校に行って思ったのは私はさして写真が好きじゃないという事。
専門学校には二十人位の老若男女が入っていて
上は60すぎ、下は私の様な高校生あがり。
奥さんと子供のいる中年のおじさんは会社を辞めて通っていた。
そんな人達の中で私はすこし写真を褒められた程度で人生などかけていなかった。
ふわふわと学生生活をして、恋をして、
失恋して
通っていた。
辞めるのがやだっただけだった。
そんな日だった。
『●●さん、最近休みだね。一番一生懸命なのに珍しいね』
40代のおじさんが連日休んだ。
『●●さん人殺したらしいよ。』
『は?』
クラスメイトからそんな話を聞いた。
詳しくなんてわからないが
報道の専門学校だったことで深掘りする同級生が多かったので色々憶測を聞いた。
とりあえず新聞に載ったらしい事だった。
それだけ聞いた。
もう15年前の話。人の気持ちなどわからないし
事件も詳しくはわからない。
それでも写真で仕事をするたびに思い出す
私がレンズをのぞく時、
情熱のない私が彼のなりたかったカメラマンになっていいものかと手が止まる。
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