【思想に寄りかかる】
鍼灸師で易占家の仙亀です。
おうちの整理整頓をしてから、僕のデスクの右側にはいつも本を置いておけるようになりました。
日替わりの座右の書。
人からお借りした本を読むのに、このスペースはとても重宝。
気が向けばいつでも右手にある本のページを開くことができる。
新しい本は、新しい知識をたくさん与えてくれます。
ときに、心を揺さぶってくれるような書物にも、頻繁に出会えるようになりました。
特に今年はコロナ禍。
以前から何となく気になって、今年の3月頃に初めて手にしたカミュという人の書かれた「ペスト」という書物は、3回ほど読み返しています。
ぼちぼちお借りしていた人にお返ししないとなぁなんてことを思いながら、改めて読み直し。
比較的お気に入りの本では、アランという人の書かれた「幸福論」というのが、何度読んでも興味深い。
考え方の根本に、東洋占術や医学の思想ととても似ているところがある。
幸福というものの求めた方を、カラダというものを絡めて考えるところが、とてもぼくにとってはなじみ深い。
一時期はやった「超訳 ニーチェ」も、翻訳がとてもよかったのと、読みやすいページレイアウトが気に入り、人のココロの何たるか、という「何たるか」の部分が新鮮で、未だに書棚に並べて置いてあります。
人のココロというやつはとても複雑で、これを言及するのは東洋医学ではちょっと難しかったのかも。
僕が一番安心して本のページをパラパラめくり、ダラダラと文字を眺めていられるのは、やっぱり東洋医学の本。
書かれていることが手に取るようにわかるし、文字通り、手の感覚や鍼を施す術者の五感を使って読み解いていける感覚がとっても好きです。
そんな人の体の自然観について、おっきな目でかかれている荘子という書物は、僕の思考の拠り所となっていますね。
根本的な自然観については、老子の方が詳しいのかもしれないけど、たくさんの寓話を通してそんな世界観を示してくれる荘子は、とっても身近な読み物になっています。
こうした書物を僕の右側に置いておきながらも、実は一番身近な書物が、サンテグジュペリという人の書かれた「星の王子さま」という書物。
これは子供のころに断片的に触れてきた記憶もあるのですが、ずいぶん若いころにちゃんと向き合って読むときがありました。
それから、人って、ということについて、いろいろ考えさせられる書物になっていて、未だに繰り返し読み返しているし、馴染みのある東洋医学の書物よりも、もっと読み返しているかもしれない。
人からは子供っぽいといわれるかもしれないのだけど、子供と一緒に読んでもよいと思うし、僕もそんな素直な子供の一面を大事にとっておきたいなぁと思っています。
あわただしい現代社会に身を置いて、自分の大事な部分を見失っている人ってたくさんいるみたい。
そんな自分らしい思想を取り戻すためにも、やっぱりそばに本を置いておくといいのかな。
そんなことを思いついたので、記事に書き留めておこうかと思いましたとさ。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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