
夫婦とは、生活を分担するものだと思う
専業主婦(夫)は、家庭に”尽くして”いるのか。
働いている人が家にいる人を”養って”いるのか。
同棲して7ヶ月。
彼は会社員として働いていて、わたしは今仕事をしていない。
事実婚をしているので、ありがたいことに無職ではなく専業主婦と名乗らせてもらっている。
家計は同一。銀行口座も、電子マネーの残高も、2人の総資産は1つの画面ですぐに確認できる。
わたしにも細々ながら収入はあるけれど、彼の方が稼ぎは圧倒的に多い。だから大半は彼のお金で生活をしている。
最近はわたしの体調が少しずつ良くなってきたので、家事はほぼわたしがやって、彼には仕事に集中してもらいたいとは思っている。
このあいだ彼と結婚指輪の相談に行った帰り(惚気にも聞こえるけれど、これはわたしたちにとっての夫婦を考えるための良い機会だったという点では重要)の電車の中で話したこと。
どんな文脈だったかは忘れてしまったけれど、家で彼の分の家事をするわたしが家庭に貢献している話になった。いや、尽くすタイプなのか否かってことだったかな。
どっちの文脈だったにしろ本文にはあまり影響がなくて、わたしがどんな気持ちで共同生活を営んでいるのか考えるきっかけになったということが伝わればいい。
「こな(わたし)は尽くしているの?」
「うーん、違うなあ…。」
「じゃあ、支えている?」
「その言葉にも違和感がある。」
”尽くす”とか”支える”という言葉には、どちらかが日向や日陰になったり上や下になったりするニュアンスが含まれていて、今のわたしが感じているわたしと彼の関係性とは違うと思った。
わたしはただ、2人は対等だと思っている。
働いているから偉いとか、働かないのは羨ましいとか、そういう言葉はわたしたちには縁がない。
わたしたちは、生活を分担している。
彼は仕事が得意だ。いや、そういうと語弊があるのかもしれないけれど、彼とわたしという我が家の最小単位でみるとわたしより働くのが得意だ。好きではなさそうだけど。
だから、彼が我が家に収入をもたらしてくれる。
わたしは働くことはできないけれど、家事が得意だ。料理教室で先生のバイトをしていたくらい料理が好きだったり、同棲のときに持ちよった家電がほとんどわたしのものなので使い方に精通していたりね。
わたしは彼が快適に仕事をできるように、自分の生活と一緒に彼の生活を整える努力をしている。
彼は仕事、わたしは家事、それぞれ生活に必要なことを分担してやっているので、お互いに一人暮らしのときより負担はぐっと減った。
体調が悪いとき、彼は仕事を休む。
できなかった仕事は、きっと彼の同僚や未来の彼が代わりにやるだろう。わたしが代わることはできない。
わたしは少しでも彼が休む時間を長く取れるように、彼が普段自分でやっていることまで先回りできるように心がける。
体調が悪いとき、わたしは家事を休む。
できなかった家事は、他人がやってくれるわけではない。彼か未来のわたしが代わりにやる。
彼はできる範囲で家事を代わってくれて、わたしはその日ゆっくり休むことができる。
体調が悪くて休むことは何もしていないことにはならない。それが決して楽ではないことを、長く病気をしてきた2人はよくわかっているから。
同じだと思う。仕事も家事も、休むなら誰かが代わりにやらなければならない。家庭は小さなコミュニティだから、どうしても一時的な負担がよく見えるところにかかってしまうけれど、助け合う構図はどんな集団でも変わらないのだ。
たぶんここで気になるのは、仕事と家事の労働としての負担の大きさが違うことではないだろうか。
たしかに、実家から会社に通っていた経験も思い返すと、フルタイムで働いて家事をしないのと、仕事をせず家事だけをするのでは、後者の方が楽だと思う。
しかし、わたしたちはそれぞれ持ち合わせている体力が違う。
彼の方がキャパシティが大きく、わたしのキャパシティはかなり小さい。
共同生活への貢献を1:1の割合に設定すると、体力のないわたしの持続可能性が低くなって体調を崩したり不満を溜めたりしてしまう可能性が高い。
実際、現在の時点でわたしは1日かけて家事をするのがいっぱいいっぱいで、終わらせられない日も少なくない。
我が家は彼にちょっと多めに頑張ってもらうくらいで2人の負担が同じくらいなのだ。
自分の持てる最大限の力で貢献することが重要で、貢献度の多寡に不満や負い目を感じることは(当初はあったけれど)もうない。
たぶんこれは、家族が増えても同じことなのだと思う。
その人にしかできないこと、代わってあげられないことはできる範囲で頑張って、できないときにはしっかり休む。他の家族ができることは助け合って肩代わりをする。
誰の方が偉いとかそういうことはなくて、みんなが貢献して家族をつくる。
「わたしはどこまでも、生活を分担していると思っているんだよね。」
「うん。同意。」
これがわたしたち夫婦の形。
我が家は今日も平和です。
いいなと思ったら応援しよう!
