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つくばマラソン2024
初めてつくばマラソンを走った。自分がやっているstravaでも首都圏ランナーの多くが秋の目標レースにしている感じがする。年齢は気にしないと言っても、NYCMから3週間という短期間でのフル反復はやや心配だった。60歳で湘南、さいたま国際と1週間隔での連続サブスリーと言うミラクルはあったが、今や66歳。あれから回復まで長時間を要した故障を2回経験している。それでもついつい出てしまうのはなんでだろう。シドニー、NYCMはコース難易度が高いと言われていたので、比較的記録が出やすいと言われるつくばで記録を狙いたかったというのが本音かもしれない。
フルから3週間の準備
通常だとマラソン前3週と言うのはすでにテーパリングの時期と言われる。そこで考えたのはNYCMを3週前の40k走と見立ててレースまでテーパーする計画とした。それでもNYCMレース後2日経つとDOMS(遅発性筋肉痛)が生じたので最初の1週間のジョグのペースはキロ6:30から5:30、距離は6kから18kに日々均等に上げる形で疲労回復に務めた。これで2週前となり、やや早急とは思ったが15kペース走をやってみた。キロ4:10、平均心拍160で思いのほか無理なく走れたのでレース10日前ぐらいにもう一度ポイントを組んだ。ここで最近滅多にやらない1k x5のインターバルにチャレンジ。おそらく昨年12月以来だが3.50, 3.47, 3.45, 3.47, 3.48とこれも思ったより5秒以上速く走れた。これはサブスリーチャレンジありかもと舞い上がって1週前に横浜月例で10kを走った。これが平均ペースは4.09だが後半キロ4.12, 4.15と失速する不安を残す仕上がり。最終週の刺激入れはやめてキロ5.50ぐらいのジョグのみで10k~6kへとテーパリングした。今思うとレースから2週間以内に1kインターバルを持ってくると1週前の調整時に疲労を残す感じがする。
レース当日
つくばは横浜からは日帰り圏内。それでも9時スタートなので会場に7時半過ぎにつこうとすると横浜の自宅を4時半過ぎにでて5時の電車に乗る必要がある。と言うことでNYCM同様、朝の2時半に起きてアップしてから食事。やっぱり腹具合を整えられず今回もトイレ問題を抱えての出発となる。北千住でつくばエキスプレスに乗り換えると車内はマラソンランナー一色。ブームは一段落したと言われるが改めて市民マラソンの人気に脱帽。研究学園都市で降りればシャトルバス乗車にまた行列。今年で44回を数える(フルは第5回1985年かららしい)とのことだが、僕が初めてフルマラソンを走ったのが1986年の河口湖。マラソン大会自体が少なかった当時としては5~6000人規模?の首都圏有数の市民マラソンだったと記憶している。それでも地方大会に市民ランナーが出るために首都圏の列車全体が埋まるようなことはなかった。いま、グループで和気藹々と談笑しているランナーも30キロ過ぎれば皆歯を食いしばるか、苦痛に顔を歪めることも増えるだろう。つくづくマラソン人気は不思議だと自分のことを棚に上げて思ってしまう。会場に着くと天気が良かったこともあるが人工芝のグラウンドに設置された着替え用テントと荷物置き場は動線もよく1万5千人以上の大会としてはスムーズにスタート地点に立てた。
スタートから5k
つくばは晴れても冷えると聞いていたのでファイントラックの上にいつものRun for KidsのTシャツをきてアームカバーをした。しかし天気も良かったのでノースリーブにアームカバーでも良かったかもしれない。出だしの3kぐらいは大学構内を走る。紅葉が美しいが集団が大きい割に道が狭く、さらに所々bumpがあるので転ばないように気をつけながらペースを上げる。それでもBゼッケンだと周りもガチランナーなので入りの1kが4.24といつもに比べてハイペース。構内をでて4k目には4.10と今回の巡航スピードに持っていけ、アップなしとしては上出来のスタートとなった。
5kから折り返しまで
今回は25kまでキロ4.10で押していく方針とした。正直この1年は故障からの回復を第一義としたので前半からサブスリーを狙うペースは試してこなかった。しかしコンディションもまずまずの今、チャレンジしなければいつチャレンジするのかと気持ちを奮い立ててペースを組んでみた。正直10k超えても突っ込んだ感じはなく、後から前半の平均心拍をみても152-154と無理なく進んでいた。意識したのは真下を踏んで、股関節で地面の反発を受けるという為末さんの教えかな。カフェイン入りのジェルも10kで取れた。20kでは給水所の水で流し込もうとしたらコップに水が入ってなくわずかに引き返したがここも予定通り摂取。折り返し地点のグロスタイムで1:29:36とやや遅れたもののネットで3時間は狙えるかなと思った頃にやはり腹具合が不安定になる。
22kから35k区間
最近は毎回レース中にトイレ休憩していることもあり、少し催した段階で我慢はしなくなった。せっかく4.10のペースで安定して踏めていたリズムを失うのは残念だが22.5kのトイレに迷わず入る。スタート前に2回整理したはずなのに出るものは出る。ここで休憩1分を費やすがこれで終わるわけには行かない。3時間が無理だとしても3:05は切りたい。24k-26kは再びキロ4.10ペースに戻せたと思ったし、そのペースで走るランナーを前に見つけていい感じに立ち直った、はずだった・・・がいつにない前半のハイペースとトイレ休憩後に戻そうとしたアクセルで27kから徐々にペースダウンが始まり30kではキロ4.30まで落ちる。ここから上げるのが極めて難しいことは経験済みなので、これを維持することに決め3時間5分切りを目標にしなおして35kまで粘る。
35kからフィニッシュ
最近のマラソンでは3時間5分切りが出来ていない。しかし30kからの落ち込みは少なくなりキロ4.40を超えずに粘れるようになった、と感じていたが35kのラップをみてやや衝撃を受ける。4.51 !! マズイ、このままではキロ5までズルズル落ちるおそれがある。実はここからの7kがつくばの一番難しいパートであった。そんなに長くもきつくもないのだが登り下りが増える。残り7キロならキロ4.30は切れるはずだと思ってもラップは無情にも4.50付近を刻む。38k付近で再び大学構内に入るのだが折り返しなどで結構振り回される感じがする。初めてでコースを掴んでいないこともあり40kからが遠い。それでもなんとかキロ4.45ぐらいに上げて最後の2.195kを走り切った。ネットで3:07:44 !5分きりは出来なかったがなんとか今シーズンのベストになった。
終わって思う
走り終わった後は周りはどこもかしこもオフ会のような雰囲気が流れている。「サブスリーいきましたー!」みたいな若手の、まあ僕の年齢から見るとほとんど全員が若手なのだが、声があちらこちらで聞こえる。素直に良かったね!と心の中で拍手するが、一方で自分の記録にやや落胆。天気の良いグラウンドで着替えていると、家内からLINEが入る。「久しぶりの3時間10分切りおめでとう!」そうなのだ。久しぶりの10分切り(5月の黒部も8分台ではあった)なのだ。シーズンベストなのだ。相変わらず欲深な自分に呆れる。マラソンは一歩一歩。この歳になれば怪我せず完走できたことをまず喜ばねば。帰りの車内ではストラバやFBに結果を上げた。朝思ったことの答えがここにあった。最近のマラソン人気はGPS時計とSNSがかなりを担っている。走り終われば皆スマホを握る。直ちにガーミンからストラバに詳細なタイムがアップされる。コメントがくる。それに「ありがとう」を返す。実際帰りの車内の2時間はその作業で瞬く間に過ぎてしまった。それを楽しんでいる自分がいる。幾つになっても承認欲求というのはなくならない。でもいいじゃないの、42キロ、それなりに頑張ったんだから。