タイ人の信仰
タイの仏教は、僧侶と庶民との間には厳格な規律の違いがり、
庶民が仏教に帰依する場合は、それはタンブンという徳を積む
ことによって成り立っているようです。
ブンは善行という意味で、タンは積むという意味だそうです。
ブンは行為者にとどまらず、その家族、祖先にまで伝播して増幅される
そうで、回りまわってすべての人々の幸福をもたらすものとされています。
他人に優しくすることも、捕まった生物を逃がすことも、
お寺に行ってお祈りすることも、貧しい人に施しを与えることも、
出家することも、利他的な行為も、すべては現世だけではなく来世のために
徳を積むことだとされています。
肉体は滅んでも魂は永遠とされ、再びこの世に生まれ変わるという
輪廻転生の考え方に基づいています。
現世でふりかかるあらゆる事象は、前世での行いに左右されると考えます。
現世での幸福は前世でのタンブンの結果であり、現世でタンブンを怠り悪行を行うと来世は不幸になるばかりか転生先は獣へ落されます。
タンブンを善行の貯金と考えるとわかりやすいかもしれません。
自分の来世の境遇が改善されるために現世で徳を積む。
来世を信じない人にとっては少し馴染みにくい人生観かもしれませんが、
これが小乗仏教ですね。