
日本に移住か、パリにとどまるか?
パリに30年以上住んでいると、老後のことも考えるようになってきた。
パリで生まれて学生のころから住み慣れているパリの生活は慣れ親しんでいる。
ただ老後もフランスで生きるかと言われれば、やはり老後は日本で過ごしたいと思う。
本当に最期の最期を想像すると、フランスの介護施設でまずい食事をしてフランス語環境の介護で
終わりたくないと強く思う。
やはり人生の最期はたぶん介護施設でお世話になるかと思う。
その時は、日本の介護施設で美味しい日本食を食べて穏やかに逝きたいと思う。
パリの生活で特に不満はない。
一番気になるのが、詐欺が蔓延しているフランスという国で生きて、
そういうことに巻き込まれていないだけましだと思う。
フランスで毎日のニュースを見れば、ネット詐欺、車があれば部品の盗難、自転車があれば
ほぼかならず盗まれる、家に住めば空き巣被害、身分証明書詐欺(本人に成りすまされて多額のローン請求とか)、ドラッグ、移民の暴動、差別、殺人など毎日のようにこれでもかこれでもかというほど
この社会の正常な機能にパラレルで存在する裏側社会で被害に遭うニュースで満ち溢れている。
日本もいろいろ問題はあるかもしれないが、フランスのようにこれほど地下・裏社会の詐欺被害に遭う確率は高くないのではないかと思う。
あとはパリで生きていて生活費がやはり高くつく点が問題だ。
自分一人生活での今の生活費は1日1食半でざっと月26万円ほどもかかる。
退職したら年金が月24万から27万であるとすると、
マイナスかほぼプラスマイナス・ゼロで貯金も海外旅行もできなくなる。
日本で24万円あれば、一人生活では十分に生きていけて貯金さえできると思うのだ。
日本とフランス(パリ)のどちらが良い悪いを簡単に述べると、自分の場合以下のようになる。
日本で生活するとなると、やはり台風、地震など自然災害が怖いが、
やはり祖国という意識がある。
日本とフランスで医療は同レベル。
日本の健康保険制度はすばらしく有難い、しかしフランスの医療制度はさらに最高。
医療施設へのアクセスや待ち時間ではパリに軍配。
食事は日本人なので、圧倒的に日本に軍配が上がる。
生活用品の豊富さは日本。
生活費は日本の方が安い。
治安と内政は日本。
国際関係は敵対国と接していないフランス。日本は中国、ロシア、北朝鮮に囲まれ不気味で脅威。
山河など自然環境は日本。
唯一家族と呼べる息子が住んでいるのがフランス。
運動環境は空気が悪いパリより日本。ただ気温の適度さはパリ。
気候は圧倒的に過ごしやすいパリ。日本は蒸し暑すぎる。
自然災害はその少なさでフランスに軍配が上がると思う。
多様性ではフランス。
言語文化は、日本人なので日本が楽でよい。
老後楽しみな読書は日本語。
神社仏閣や文化一般への興味も日本。
と考えると、はやり老後は日本に移住となるかと思う。
遠い国に移住してても、いざという時に祖国と呼べる戦争のない安全な祖国があるというのは心強い。