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一瞬にして人生を見渡せる瞬間

人生は長いと言う人がいる。
たしかに、人生を幼児期から少年少女期、中学、高校、大学、
就職、結婚、出産、子育て、中年、壮年、子離れ、還暦、老年、最期などと区切れば、
それぞれの年月はたしかに長いと感じると思える。


しかし、人生のある時期に振り返る人生は、
多くの場合瞬間の出来事がフラッシュのようにまたたいて思い浮かぶことが多い。

我々の脳と心の奥深くでは自分が生きてきた歳月の長さのすべての行程が
刻まれているはずだが、
記憶に残る内容というのはほんの瞬間のまたたきのような
断片化された出来事や情景なのではないか。

しかもそれらの映像は映画のような持続する映像ではなく、
一枚の写真のような画像としてくっきりと映し出される刹那の像のような気がする。


たぶん人が死ぬ時、このような画像が走馬灯のようにシャッフルし舞い降りてきて脳と心の中を走りすぎるような気がする。


こう考えると、人は70年80年途切れることなく持続して生きても、
実際に記憶にためられる出来事や夢や希望や後悔や失敗には限りがあり、
一部のライトアップしたものだけが自分の人生として認識されるのだと思う。


そうであれば、この人生、良いことも悪いことも高揚したものも平凡なものも
俗悪なものも平等に訪れることとし、自分自身の力だけで
人生をどうにかしようと息張り思い詰めるより、
流れるようなその人生において何が最後に残るか?それを見届けようという、
ある種リラックスし脱力した超脱の境地に達することができるような気がする。

それこそが人生にあまりに執着しない、ある意味気楽に構える生き方だと思う。


流れる水に逆らえば、とてつもない力がいる、しかもそれは無力だ。
人生は止められない。
流れる水に乗り泳げれば、自在に流れることができる。
人生は流れそのものである。

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