【東京혼영】서울의 봄(ソウルの春)
ソウル、釜山、あるいは東京公開中の韓国映画鑑賞レビューです。
※혼영:ぼっち映画を意味する韓国語の短縮系
韓国では本作がコロナ後初めて観客動員1,000万超え、最終動員は1,320万だそう。去年釜山で観れず、先週末の日本公開日に観てきました。
キャスト&あらすじ
キャスト多すぎで一部紹介。上記左上からイ・ソンミン(チョン陸軍参謀総長)、ファン・ジョンミン(チョン少将)、チョン・ウソン(イ首都警備司令官)、パク・ヘジュン(ノ少将)、キム・ソンギュン(キム憲監)。
そのほかのキャストはこちらのサイトが写真付きでわかりやすい。
韓国の近現代史における軍事政権を知っている人は多いだろうが、それがいつまで続いたのか?となると、はて?となる人が多いのでは。文民政権となったのは1992年以降。本作は1979年の朴正熙大統領暗殺後に起きた軍事クーデターを題材としている。
どうだったよ?
構図でいうと、
クーデター軍(ハナ会):チョン少将、ノ少将、その他大勢
VS
鎮圧軍:チョン陸軍参謀総長、イ首都警備司令官、キム憲監、その他大勢
さすがに歴代大統領や関連する人たちの実名は出せないので、なんとなーく本人が連想できる配役名になっているが、ファン・ジョンミンは外見というか頭髪までよく作りこんで再現度高め。
史実ベースゆえ結末は最初から予想できたけど、一夜のうちに予想外が続々起こる。そしてこれでもか!というくらいの数の有名俳優が出てくる。
ただ本作はあくまでクーデターの一夜の話がメイン。
「ソウルの春」は「朴正熙大統領暗殺後から1980年5月17日(翌日、光州事件)に非常戒厳令拡大措置が出されるまでの民主化ムードが盛り上がった期間」をさすとのことで、題名と内容に違和感がちょっとあった感は否めない。
今回、イ首都警備司令官の妻役のチョン・スジ。ドラマでたまーに見る女優さんだったけど、凛とした演技がとてもよかった。
ちなみに・・・
このあたりの時代背景を題材とした映画やドラマは多い。背景年代順に並べてみると・・・(若干前後差はあります)。
제4공화국(1995~96年放送):朴正熙政権後半の維新体制時代
남산의 부장들(2020年公開):大統領暗殺事件の40日前から事件当日とその後を題材とした映画。「ソウルの春」の前編としてみるとわかりやすい。
余談:「ソウルの春」で鎮圧軍の立場のイ・ソンミンがこの映画では大統領役なのがおもしろい。そしてイ・ソンミン、髪型から顔の輪郭、耳の形までものすごく本人に寄せてきてこちらも再現度高めでビックリ!
そして1979年12月の軍事クーデター後、激しさを増す民主化要求の蜂起。ここからふたつの映画は1980年5月に起きた光州事件を題材としている。
화려한 휴가(2007年公開)
택시운전사(2017年公開)
光州事件を直接的に扱った映画は「光州5.18」が初めてで、事件の凄惨を世間に伝える契機になったらしい。
1987(2017年公開):1987年1月、大学生拷問致死事件をきっかけに全国100万人が蜂起した6月民主抗争を題材としている。
제5공화국(2005年放送):朴正熙暗殺から金泳三政権(第6共和国)による全斗煥、盧泰愚の逮捕と裁判、特赦(1996年)まで。このドラマが時代全体を通してる感じ。
おまけ
本作でクーデター軍(ハナ会)のハン中将役のアン・ネサン。1980年当時、大学生だった彼は光州事件で爆弾を米国文化院に仕掛けたんだそう(不発に終わった)。その後逮捕され8か月服役している。民主化運動に参加した彼が演技とはいえ逆の立ち位置になったというのもなんかの因縁か。
アン·ネサン「『5.18ヒンツペーターストーリー』ヒンツペーターとキム·サボクの活躍、直接確認してほしい」応援
ヒンツペーターとは光州事件の取材をした唯一の外国人、当時西ドイツのユルゲン・ヒンツペーター氏。キム・サボク氏は彼をソウルから光州まで運んだタクシー運転手。彼らは映画「タクシー運転手」の題材になっている。
あと本作中のセリフに진돗개 하나というのがあって、え、犬?ってなに?と思い調べてみたら最高非常警戒態勢のことらしい・・・。
観客1,000万人突破の記念撮影?本作中とは違って俳優陣がかわいい。
きょうはここまで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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