業界関係者
20代のときの本当にどうでもいい、何でもない話です。
業界関係者。という単語、よく聞きませんか?
何かの業界に携わってはいるけど、名前の明かせないときに出てくるこの言い回し。
メディア系、音楽系、はたまたそれに関わる事務所系のニュースで目にする機会が多いと思います。
ネットニュースや雑誌なんかで出てくる「業界関係者」は怪しさ満点。
ですが、その業界に身を置いた人は、確かにみんな業界関係者です。
そんな、ある業界関係者と飲んだときのことです(怪しい人じゃありませんよ)。
業界関係者数人で行われた飲み会。
そろそろ宴もたけなわ、会も終わりに近づいてくると、会の中で一番偉い業界関係者が僕に話しかけてきたんです。
「おい、房野。このあと、もう一件どうだ」
すっごく"ニヤりとした顔"で。
「いいとこ、あるぞ」
とっても"いやらしい表情"で。
房野は20代。すっごく20代。
とても元気。とっても元気。
偉い業界関係者の人が、どんなところに誘おうとしてるのかすぐさま察知した僕は、
「ちょっとぉー! 〇〇さんから誘われたら断れないじゃないですかぁ!!」
やたらと大きなリアクションで反応。
「もぉー! しょうがないなぁ!! わかりました! 行きますよ!!」
何とも嬉しそうな声を弾ませ、業界関係者の誘いを全身で受け止めます。
内心のヨダレが止まりません。
酸いも甘いも知り尽くした業界関係者が、ニヤりとした顔で誘ってくれたとこ。
いいとこ、と仄めかしながら、ザ・業界関係者にしかできないやらしい表情で誘ってくれたとこ。
「あざす」
心の中はこの言葉でいっぱいです。
一軒目の場所を離れ、足取り軽く夜の街を歩く男2人。
期待と期待しかない面持ちで、業界関係者の後をついて行ってみるとそこは、すっごく素敵な
BARでした。
オシャレな。
静かなマスターのいる。
2人で飲みました。
悪いのは僕の方なんでしょうか?