
ただのまかないされどまかない。まかないで心を繋ぐ栴檀のコミュニケーション
こんにちは。
いつも栴檀女将のブログをお読みいただき有り難うございます。
本日は飲食店ではよく耳にする話。
栴檀のまかないの話を。
栴檀の板さん達は、朝来て仕込みをして、お昼ご飯を食べて休憩に入り、四時頃になると本番の用意をします。
そのお昼ご飯のことについてお話しします。
栴檀のまかないはお昼ご飯です。
まかないは料理人が自分達の食事の為に、ありあわせの材料で料理をすることです。
一番若い料理人がまかないを作り味を打つ練習もかねて、上のお兄さん達に食べてもらうのが通常です。
お相撲の世界もちゃんこを1番下の弟子が作り上の階級の人に食べてもらうといったところをよくテレビで映しだされます。
そんな風にと考えていただければ、わかりやすいと思います。
母は、栴檀を創業してずっとこのまかないを作ってました。
前に言いましたように若い板さんがつくると言うのが当たり前なのですが、何故か母が作って板さん達に。
いろいろな板さんが栴檀から巣立っていきましたが、みんな母の料理を食べています。
家族の分をいれて毎日10人前のお昼ご飯。おからや鰯の梅干し入り煮付け、カレーなどたいした料理ではありませんが、毎日母は、買い物して作ってました。
それは、なぜそうなったかはわかりません。
料理をするのが好きだったのは間違いないのですが、それ以上に板さんとの絆をその料理で深めたかったのだと思います。
振り返れば一緒に食べたり、時には料理の作り方を板さんに聞いたりしてました。
母が身体の調子を崩してからは、母の手伝いをするようになり、そして私が作るようになりました。
今は若い板さんが増えたので作ってくれていますが、今でも週に一度や二度は、「今日は板さんが忙しいけん私が作るからね」と連絡をいれます。
私の腕は、プロに出せるようなものではないのですが、純粋に作ってあげたい気持ちになります。
今も買い物に行って活きの良い魚を見ると塩焼き用に十匹、綺麗なお肉を見るとたくさんの牛丼をと献立ができていきます。
母は、友達が来れば、「ご飯食べたん?
食べてお帰り」とよく言ってました。
私もそれを引き継ぎ、同じ事を言ってます。
また、従業員に筑前煮を持って帰らせたりおせっかいはなおりません。
料理一つで繋いでいたい気持ちのメッセージを知らず知らずに送ってるのかも知れません。
また、こんなこともあります。
「女将さーん、朝焼いたから食べて」と。
食パンに玉子をのせて焼いたパンを持ってきてくれたりもします。アルミホイルで包まれた熱いパンは、それ以上に私の心が温かくなります。
料理で繋ぐ人と人。
美味しいを共有するコミュニケーションの場を大切にしていきたいと思います。
※注意書き
のせた料理は、私の料理であり、栴檀で出す料理は一つもありません。upする代物ではありませんが、栴檀の裏側をのせました。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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夏が近づいて参りました。
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料理旅館栴檀の季節のお料理も変化しています。お楽しみに。
料理旅館栴檀
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