感動を与えてくれる『素の志村けん』モノマネ芸人、その名は「レッツゴーよしまさ」
彼の演じる『素の志村けん』モノマネを初めて観た時、まるでご本人が甦ったかのような感動を覚えて涙がつつーっと流れたことを今でも覚えています。
彼の名は「レッツゴーよしまさ」。てっきり彗星のごとく現れたモノマネ芸人かと思っていました。ところがモノマネ芸人歴はそれなりに長く、普段はサラリーマンをしながらモノマネ芸人としても活動する二刀流だと知りました!
ある意味”理想”ですね。収入はきちんと確保して好きなことをやれるというスタンスは私の憧れかもしれません。
『アンタウォッチマン』で彼のスペシャルがあり、『素の志村けん』のモノマネをするに至るまでの過程がなかなかに興味深かったです。
子供の頃からドリフが大好き!特に志村けんさんが好きで、彼の出演する番組を親に録画してもらって、擦り切れるまで何度も何度も繰り返しそのビデオテープを観ていたそうです。
この自然な”すり込み”作業が後の『素の志村けん』モノマネへと脈々と繋がっていくわけなんですねー。
中2の頃に放送されたとある「モノマネ番組」の中で志村さんのCMが流れるという情報を得て、それを観るために録画したその番組がきっかけで”モノマネ”にハマり始めたそうです。
中でも「なかじままり」というかなりデフォルメ強めの(笑)モノマネ芸人にハマり、まるで追っかけのようなことをしていたみたいですよ。
高校時代になると文化祭で昭和の昔の歌手のモノマネをするようになり、保護者にはウケていたとか(笑)。
なぜ彼が自分の世代ではない昭和の歌手のモノマネをしていたかと言えば、実は志村さんは「昭和歌謡・演歌・フォークソング」を取り入れたコントを結構やっていて、それを通してその世界観が好きになったからだそうです。
彼のモノマネの上手さがじわじわ評判になり、町のお祭りに呼ばれたり、あくまでも素人の趣味としてモノマネ活動をするようになったみたいですね。
大学生になるとたくさんのモノマネ芸人を排出してきた老舗モノマネ・レストランの『そっくり館キサラ』に出演するようになり、イベンター経由で地方営業にも行ったり、当時はギャラはいらないからただただモノマネをする場を貪欲に求めていたらしいです。
モノマネで食べていくのは到底無理だろうと、大学卒業後はサラリーマンの道を選択。ただ、大好きな趣味としてのモノマネは継続したいので、シフト制で副業OKの会社に就職したところが彼に先見の明があったというところでしょうか。
こうして「サラリーマンとモノマネ芸人」としての二足のわらじ生活をスタートさせた「レッツゴーよしまさ」。
大きな転機…つまり、それまでしてこなかった大好きな志村さんのモノマネをするきっかけになったのが、皮肉にも2020年志村さんがコロナで亡くなったことだったわけです。
志村さんの新しいコントがもう観られないと思うと志村さんへの想いが押さえ切れなくなり、それなら自分で作ってしまおう!というのが彼の凄い発想力。
志村さんならコロナを退散させてくれるという「アマビエ」を題材にコントを作ったかもしれないという想像力だけで「志村けん・いかりや長介・加トちゃん」の3人のモノマネをしながらコントをやってみたらあっさりできちゃったというのが彼の才能ですよね。
その時が初めての『志村けんのモノマネ』披露になり、そこから彼の快進撃が始まったわけです。
彼は残念ながらご本人と直接会うことは叶わなかったんですよねー。そこは神様のいたずらというか運命だったというか…。
でも、もし志村さんが生きていたらモノマネはしていないと彼は言い切っていたので、志村さんが亡くなってしまったからこそ生まれた『素の志村けん』モノマネはだからこそ目に見えない不思議なバワーを持ち合わせているのかもしれません。
なぜやったこともなかった志村さんモノマネがすぐにできたのかは、子供の頃から散々観まくっていた志村さんの番組を通して膨大なインプットがあったので可能だったみたいです。まさに「好きこそ物の上手なれ」ですかね。
私たちもあまり知らないはずの『素の志村けん』モノマネを似ていると感じるのは、志村さんの「素の声」をコント等で知らず知らずのうちにたくさんインプットされているからという彼の分析になるほど納得でした。
『アンタウォッチマン』の中で原口あきまさの「モノマネ芸人を本業にしない彼のスタンスこそ、力の抜けた志村さんモノマネをやれる源になっているのでは?」という言葉が印象的でした。『しゃべる素の志村けん』という誰も踏み込んだことのない聖域に踏み込めたその勇気は、本業のモノマネ芸人なら出せなかったものだったのかもしれませんね。
彼はこれからも大好きな”モノマネ”を思い切りやるため、本業にしないサラリーマンとの二刀流を貫いていくことでしょう。そして、志村さんも天国からそんな彼のことを優しく見守ってくれていると思います。
”モノマネ”で感動を与えてくれる「レッツゴーよしまさ」。これからも彼の活躍を応援していきたいと思っています。
長い文章、最後まで読んで頂きありがとうございました。