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企業と新入社員の″ミスマッチ″を防ぐ術はあるんでしょうか…?

東京商工会議所の2024年度の「新入社員意識調査」によれば、就職先の会社でいつまで働きたいかとの質問に「チャンスがあれば転職」と回答した人が26.4%となり、06年度以来18年ぶりに「定年まで」(21.1%)の割合を上回ったそうです。

「3人に1人が3年以内に離職」今はこれが現実らしいですね。人手不足で転職しやすい環境が整っていることが影響しているようですが、「自分の市場価値を上げたい」「スキルを身につけたら次へ」「いろんな分野の仕事を経験したい」という向上心ゆえの転職が、実際に自分の理想通りの結果につながったのかどうかの数字も知りたい気がします。

私は大学を卒業してから、ほんの数年だけ会社員として働いた経験があります。音楽活動を本格的にやりたいという理由でその会社を辞めたわけですが、仕事の内容は面白かったし、人間関係も上手くいっていたし、会社に対しての不満はありませんでした。

業務内容からすれば比較的転職しやすい業界ではあったと思いますが、同期たちがその会社に残っている割合はかなり高い気がします。これもまた昭和の人間ならでは…なんですかね(笑)。

先日『ひるおび』で今話題の「入社1日で退職する新入社員が増えている」というニュースの特集があって、それが非常に興味深い内容でした。

「1日でその会社の何が分かるのかと思う」とあるコメンテーターが発言していて私もそれには同感でしたが、"正規雇用"のはずが契約書に"パートタイム社員雇用契約"と記載されていたとか、あり得ないことも実際いろいろ起きているようです。もしそれが事実なら詐欺に近い話ですよね。

そこで登場するのが退職代行サービス「モームリ」。去年の4月はこの退職代行サービスを利用したのが 146人だったのに、今年4月24日時点ですでに1136人。その5~6割が就業6か月未満だそうです。

本人に代わって「退職届けの確認」「会社に残してきた物の郵送や廃棄の手続き」などをしてくれて、正社員の場合は一件につき2万2,000円、アルバイトの場合は1万2,000円だそうです。この思ったより安い価格も辞める側からすれば魅力的なんですかね?

「モームリ」代表の谷本氏は、決して退職を進めたいわけではなくて、あくまでも最後の砦として使っていただければ…とおっしゃっているそうなので、自分で辞められない明確な理由が何かしらある人が利用するべきだとは思いますが…。

「新入社員の離職理由」としては、

1.業務内容が向いてなかった
2.精神的・肉体的に限界を迎えた
3.人間関係・職場の雰囲気が合わなかった
4.契約内容と勤務実態が違った
5.入社前とのイメージが違った

調査:モームリ

企業側の「Z世代の若手社員を指導・育成する際に困っていること」としては、

1.ストレスやトラブル等に対して打たれ弱い
2.価値観や勤労観が分からない
3.仕事よりもプライベートを重視しすぎる
4.自己成長に対する意欲が低い
5.承認欲求が強い

調査:東京商工会議所

この前noteで「世代で″くくる″考え方を改めて考え直してみたくなった」という記事をアップしたばかりの身ではありますが、こう見比べてみるとやっぱり双方のコミュニケーション不足も多大に影響しているような気がします。

企業側も努力はしているようで、ある会社は「イメージと違う」という理由で離職するされることが多かったので、新入社員との″ミスマッチ″を防ぐために会社説明会で良いところも悪いところもありのままを伝えるようにしたそうです。

離職率、残業時間、年収モデルなど。その結果一年以内の離職率はほぼゼロになったそうです。

また、何でも"ガチャ"をつける風習はいかがなものかと思いますが、自分の合否判断を委ねられる面接官が運次第で決められる"面接官ガチャ"を解消するために、面接官を選べるようにした会社もあるそうです。

自分の描きたいキャリアに近い人が希望できて、業務への質問もしやすくなるとか。

確かに意地悪な面接官はいました(笑)。ここ突いてきます?という…。

何かしら資格があった方がいいと思い気軽に取れた秘書検定を履歴書に書いておいたら、「何のために秘書検定の資格を取ったんですか?」とまさかの突っ込みが入って、焦った記憶は今でもハッキリと覚えています。

TBSでは""配属ガチャ"を避けるためにエントリーシートに第3希望まで書いてもらい面談し、いろいろな部署の職場体験をしてもらった上で再度面談することによって配属先の″ミスマッチ″を防ぐ努力をしているそうです。

ここまでやってもらえて至れり尽くせりでうらやましい限りですが、それだけ企業側が必死で人材がほしいことの表れですよね。

今日は入社一か月も経たずに退職したある新入社員のニュースを目にしました。このケースは致し方ないのかもしれません。

内定式で「研修では外回りも含めて営業の基本を学んでもらいます」と言われた大手不動産会社の子会社に就職したAさん。

まず最初の研修の課題は「駅での名刺配り」。ノルマ100枚が配り終わるまで帰してもらえず、それが終われば次の100枚。

次は1日300件以上の営業電話。迷惑電話に注意喚起されていることを知り、これが続くのかと思ったら…ということで退職。ブラック企業の典型例ですね。

IT企業に入社したBさん。研修自体は悪くなく、エンジニアという仕事にも魅力を感じていたものの「飲み会文化」についていけず退職。

一発芸やモノマネを強制され、上司のつまらない話に相づちを打つだけの"飲み会"にはもう参加しないと決めたBさん。

先輩から"飲み会"に参加しなかったことをとがめられ「男が″飲み会″に参加しないとか、死刑だから」と言われ、それが退職の引き金になったそうです。

私のような"飲み会"好きは「飲みニケーション」でいろんな話をして関係性を良好に持っていけると今でも思っているところがありますが、コロナ禍でそういったコミュニケーションを経験してきていない若者にとっては、飲んで関係性を深めるということ自体想像できないのかもしれません。

こう考えてみると、これからの就職に一番大切なのは、企業と新入社員との「事前のぶっちゃけマッチング」なのかも?と感じました。

お互いにありのまま同士をぶつけ合って、それを知った上でもこの人材がほしい!この会社に就職したい!と思うなら…という感じでいかがでしょう?

もちろんそんな簡単じゃないことは重々承知していますが、こんなはずじゃなかった…はきっとお互い様の言い分なので、この際正直に腹を割って事前に理解し合うしか″ミスマッチ″を防ぐ術はなさそうな気がするんですが…。どうなんでしょう?

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