「病院ラジオ」東北大学病院編を視て泣いた
3月29日の放映が東北大学病院ロケということでNHKの番組「病院ラジオ」を初めて視聴しました。東北地方を代表するサンドウィッチマンさんが全国の病院を巡り、そこにラジオ局を開設し、さまざまな患者さんやご家族の方々が出演されて、生の声を伝えるという内容です。(サムネイル画像はNHKの見逃し配信サイトから拝借しました)
冒頭、小雨の降る中、仙台駅東口に降り立ったサンドウィッチマンさんがバスに乗り込んで大学病院に向かうシーンでは、伊達みきおさんが生まれたのが東北大学病院であるというセリフから始まります。
おそらく、来院者の少ない土日のいずれかをロケ日に選んだと思うのですが、ホスピタルモールにラジオ局が設置され、吹き抜けのホールの2階からは職員や患者さんが興味深そうに見守っています。ホスピタルモールはピアノも置かれ、ときどき音楽コンサートなども行われるところです。昨年行われたこちらのコンサートでは医学部の学生さんが企画に関わり、ヴァイオリンを弾きました。
最初に登場した仲の良いご夫婦は、ご主人ががんの手術により声帯を無くされた方。もともと音楽をされていたので、声を失ったことはどんなに辛かっただろうと思いますが、「リクエスト曲」の替わりに、自ら「マイウェイ」をピアノで弾ききられました。ネタバレになるので、これ以上は記しませんが、声帯を取るオペの前に、自分の声を録音しておいたというエピソードも泣けます。
次の方は40代の女性で、生体肺移植の手術を受けられ、その後も定期的に通っておられます。東北大学病院では日本で最初に脳死腎臓移植が1999年に行われ、多数の症例を抱えている中心的な病院でもあります。サンドウィッチマンのお二人がその告白に寄り添い、女性の両親は別のところでラジオから流れてくる娘の声に耳を傾け、当時、移植の決断に至る気持ちを振り返ります。
その後、リスナーからのエピソードが紹介され、「一日一日を大切に生きたい」という言葉の後にリクエスト曲として流れるのが荒井由実の「やさしさに包まれたなら」。リクエストしたお母さんと二人のお子さんが病院の食堂でラジオから流れる曲を聴いて口ずさんでいます。ここでもう限界、涙腺崩壊でした。音楽のちからは素晴らしいです。このnote記事を書きながら再度、泣けます……。
その次には、車椅子に乗った女子中学生とお母さんが登場。お二人ともに重い障がいや病気を抱えながら、淡々とエピソードを語ります。病院の別の場所でお父さんは流れてくるやりとりをスマホで聴いていますが、その後、合流して家族3人がサンドウィッチマンさんと語ります。あ、感染症予防対策としてアクリル板が間に置かれていましたが、それが気にならないようなカメラワークも素晴らしかったです。リクエスト曲は竹内まりやさんの「いのちの歌」でした(矢沢永吉ではないの?とツッコミました)。お嬢さんの卒業式の様子なども折り込まれていたので、編集作業はギリギリまでたいへんだったのだろうと想像します。
さらに、心臓疾患を抱えた若い男性が東日本大震災後に発症した心筋梗塞から、直近の心臓移植までの思い出を語ります。たいへんな病気の様子や、移植を受けたとたんに脈動を感じられるようになったこと、ドナー提供のご家族の話など、この番組でしか聞けないリアルなエピソード満載でした。
病院内に出演者募集の案内や、ラジオへのリクエスト曲やエピソード募集の箱が設置されていたのは気づいていたのですが、本当に多数の方々から声が寄せられたのだろうと想像します。患者さんの治療やリハビリの様子なども別日にロケされていたので、番組に協力した病院関係者やそのコーディネートをされた方々があってこそだと思います。
最後にサンドウィッチマンさんの前に現れた20代の男性は薬剤師の方。病気とどう向き合うかについて、自分なりの選択をしたことを語ります。多様な人々がそれぞれの人生を抱えながら生きていく上で、とても感じることの多い番組でした。
今回はロケ収録の時間も伸び、放送時間も45分から59分に延長されたそうです。詳しくは下記のサンドウィッチマンさんの語る収録後のお話も(ややネタバレとなります)。
昨日4月1日に再放送されましたが、さらに見逃した方は配信で! ただし、くれぐれも泣いてもよい環境であることをお確かめの上、どうぞ♫
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