エリザベス女王の国葬
2022年9月19日、70年にわたって英国連邦の象徴であったエリザベス女王の国葬が行われました。NHKの夜7時のニュースから見始めて、BBCのライブ動画に移り、ウェストミンスター寺院からウィンザー城までの行程含め、しっかりと目に焼き付けました。おそらく、このようなご葬儀は二度と観ることがないかもしれないと思って。(サムネイル画像は、BBCのライブ動画のスクショを使いました)
柩の上には、王権を示す王冠、宝玉、王杖とともに、宮殿の庭の花が飾られ、さらに国王となったチャールズの自筆のカードが載っていました。
ウェストミンスター寺院には2000もの参列者があったとのことで、日本からは天皇皇后両陛下が出席されました。オックスフォードに学んだ天皇陛下にとっては、英国王室への思いは強かったものと思います。皇后陛下も改めて皇室外交の重要性を感じられた英国ご訪問であったのではと拝察します。
公的な意味合いの強いウェストミンスター寺院での式典の後、柩はチャールズ国王、アン王女、その他の方々含む徒歩の葬列とともに、まずはバッキンガム宮殿前の広場を回って、沿道の多数の方々に見守られながらウェリントンアーチへ。ここで特別仕様の霊柩車に乗せられました。棺を乗せた車は特別仕様で、中がよく見えるようにエリザベス女王ご自身がデザインしたものだそうです。
ウィンザー城への道のりは、ゆっくりと約3時間くらいだったでしょうか。その間、BBCでは道中の映像を見せながら、さまざまな人々へのインタビューで繋いでいました。
ウィンザー城の聖ジョージ教会での埋葬式は荘厳で、BBCだと余計な解説も無く没入できました。こちらはより身近な方々のみ800名が参加とのこと。縦に伸びた空間の天から降ってくるような賛美歌は、参列者の心に染み入るものだったと想像します。バグパイプの演奏もあり、改めて聞いてみると、日本で言えば雅楽に近い印象がありますね。結局、夜中の1時半くらいまで見続けてしまいました。埋葬終了が日本時間で3時の予定だったのですが、そこはいずれにせよ、カメラ禁止だったと思うので。
今回、徹底的に葬儀の様子を見せることにしたのは画期的ですね。開かれた王室であることが、存続にとって重要というポリシーなのでしょう。動画に関してはBBCが独占していたのだと思いますが、カメラワークが素晴らしく、また、参列者の喪服の黒と各種の制服の色合いの対比もヴィヴィッドで、荘厳なドキュメンタリー映画を見ているような気持ちでした。
先に亡くなられたフィリップ王配、父君であるジョージ6世国王、母君であるエリザベス王太后らとともに聖ジョージ礼拝堂の納棺堂に埋葬された女王は、ようやく安らかに眠ることができるのでしょうか。