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岡村先生オンライン特別講義
担当している歯学部2年生対象の「人体の発生」講義、最終回は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔形態学分野教授の岡村裕彦先生にお願いしました。もちろん今年度はオンライン。私がzoomミーティングルームを開いて、先生にも学生さんにもログオンしてもらいました。
特別講義でしたので、歯学部卒業生としてのロールモデルを意識した内容にして頂き、とても良かったと思います。学生さんもたくさん刺激をもらったのではと思います(追って授業アンケートよりピックアップ予定)。
途中で岡山大学の講義カリキュラムなどにも言及されていて参考になりました。すでに昨年、組織学実習を電子化されていて、実際に顕微鏡を覗いてスケッチするのではなく、各種臓器の組織切片スライドの画像から、所見用の画像を切り取り、そこにコメントを付けて発表するというのは、素晴らしい。スケッチがとても苦手だった私が今学生であれば、ウキウキしていたと思います。今年度のCOVID-19対応も問題なくできたとのこと。
1年生対象の「細胞学・人体発生学入門」では、「自己表現力演習」として例えば「出生前遺伝子位診断について」のディベートを行い、自分がどう思うかとは関係なく、賛成か反対かの立場に立って根拠を探して発表するというもの。
また、岡山大学歯学部独自の交換留学制度についても紹介されていました。
先生ご自身のご研究も、「口腔形態学」にとどまらない、全身との関連についての包括的なテーマで、これからの基礎歯科学として重要な方向性だと思いました。
サムネイルにした画像は、最近のプレスリリース「小さな分泌物が語る~歯周病と全身性疾患の新たな関連」より使わせて頂いています。小さな分泌物とは「細胞外分泌小胞 extracellular vesicles(EVs)」のこと。以前、拙週刊ダイヤモンド連載コラムでも取り上げていました。
上記プレスリリースでは、歯周病菌(Pg菌)が感染したマクロファージからEVsが分泌され、肝臓で血糖値上昇に関わることを述べておられますが、さらに肺に到達して炎症を起こすことについて、Pg菌の側から見れば、死してなおマクロファージを利用し、EVsとなって保護された状態で、他の臓器に到達できる、という観点は目からウロコでした。
できれば学生向けの特別講義だけでなく、大人向けのセミナーもして頂きたいところでしたが、今回は断念。いつかCOVID-19収束の折に、またお招きできたらと思っています。