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親子三代、日帰りでわんこそばを食べに行く
最初に謝罪。タイトルはちょっと盛った。
正確に言うと、日帰りなのは私だけ。
私の父と私の子ども、つまり、おじいちゃんと孫ペアが1泊してくる予定のところ、私は現地集合現地解散の日帰りで参加したのだ。
2か月前、電車好きの2人が、さまざまな電車を乗り継いで東北へ向かう電車旅を企画していた。夜ご飯は盛岡でわんこそばを食べる予定と聞き、「私も行きたい!」となった。
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朝6時前。
2人は、まだ真っ暗な中、最寄駅へと向かった。
私はそれを見送ったあと、残った2人の子どもたちと朝ごはんを食べたり、Switchで遊んだり。
こちらの2人は、電車にもわんこそばにもあまり興味がないらしく、今回はお留守番である。
お昼ご飯まで食べさせ、夜ご飯もレンジでチンするだけのワンプレートを用意し、あとは夫に託して、私も出発。
のんびりと午後の新幹線に乗り、猛烈なスピードで先発隊の2人に追いつき、そして追い越した。
先に盛岡に着いた私は、タクシー乗り場を確認し、お土産を物色して、12時間ぶりに2人と再会した。
往復の新幹線は約3万円。
贅沢すぎるお金の使い方だと自覚しているので、なかなか人には言えない。
しかし私は、この「日帰りわんこそば」の案を思いついた時、即決した。
理由は、父との思い出づくりに後悔を残したくなかったから。
父は全国転勤がある仕事をしていたため、私は幼少期から何度も引っ越しを経験している。
特に、東北には一番長く住んでいて、東北6県は家族旅行ですべて訪れた。
ただ、わんこそばを食べた記憶はない。
確か、企画案として上がったことはあったが、旅行日程を組む過程で見送ったのだと思う。
父も、盛岡には仕事で何十回も訪れていたそうだが、いつも同僚とのご飯は、盛岡三大麺の冷麺やじゃじゃ麺になってしまい、わんこそばを食べること機会を逃したままになっていたことを残念がっていた。
父とは、「せっかくだから、人生で1回くらいは、何杯食べられるか挑戦しておきたいよねー!」と何度も話したことがある。
思わぬタイミングで、それを実現できるチャンスが来たのだ。やらないわけにはいかない。
父は60代後半。
まだまだ元気で、仕事もしているし、車の長距離運転でしょっちゅうと母と旅行に行き、食欲の衰えもまったく感じさせない。
しかしここ数年、元気だった70歳以上の人生の先輩が、突然ガン宣告されたり、急激にアルツハイマーが進行したりする様子を間近で見る機会があり、父の場合も他人事ではないと感じるようになった。
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私はいま、2人と別れ、盛岡駅前のタリーズコーヒーでこれを書いている。
本格的なわんこそば体験は、想像以上に楽しかった!!
ちなみに、女性の平均と言われる30〜40杯を大きく超える記録を叩き出し、記念品をもらった。
積み上がったお椀たちとの記念撮影を終え、母にも、私のきょうだいにも、夫やお留守番の子どもたちにも、写真や動画を送って、ひとしきりLINEで盛り上がったところである。
父と、東北と、わんこそば。
いま、思う。
「あの時、行っておけば良かった」と後悔することを想像したら、3万円なんて安いものだ。
なによりも、私以上にお椀を積み上げた父の得意げな顔を見て、まだまだ現役だなと、嬉しくなった。
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