見出し画像

#249 薬剤師が薬剤師を捨てる?!3児の母のキャリア形成についてインタビューを受けました

皆さん、こんにちは!
小2、年長、年少、2歳差ずつ3人の育児をしている
仙台りんです。

この度、インタビューをしてもらうという貴重な経験をしました。

薬剤師なのに、薬剤師じゃない働き方を選んだ私ですが…
・これまでのキャリア
・仕事で意識していること
・今後の展望
などが、まとまっています。

質問されて改めて「えー、そういえば、どうしてだろう?」と考えることも多く、自己を見つめ直す良いきっかけにもなりました。

「ワクワクさせる文章、書きます」というフレーズが印象的なライター、藤原友亮さんが執筆くださった記事です。

もしよければ、感想も教えてください^^




【これからもカッコイイ姿を追求していたい】


フリーランスとして記事執筆やファシリテーションの仕事をこなし、3児の母でもある仙台りんさんは、もともと大学病院に勤める薬剤師としてキャリアをスタートしました。結婚、出産そしてコロナ禍による在宅でできる仕事の拡大によって、働き方は大きく変わったといいます。

過去2年、ほぼ毎日続けてきた音声による配信と、オンラインでの仲間との会話をきっかけにファシリテーションの可能性に気づきました。

「人の話を聴くのは面白い」「聞き出すのが楽しい」と語るりんさんに、話を盛り上げるコツや自身が理想とする姿についてお聞きします。


キャリアウーマンへのあこがれがあった

小学校の卒業文集には「スーツを着て、ハイヒールを履いてバリバリ仕事をしたい」と書いていた

りんさんは、ちょうどコロナ禍がはじまる2020年春から在宅での仕事を始めました。3人目の子どもが当時はまだ1歳で、家でもできる仕事は魅力的だったといいます。ただ、もとはバリバリ仕事をする姿にあこがれていました。

--薬剤師になったきっかけを教えてください。
「子どものころから漠然とキャリアウーマンへのあこがれがあったんです。大学では薬学部で学び、スーツ姿でカツカツとオフィス街を歩くような姿をイメージしていました。そのイメージにピッタリだった製薬会社の部署は、大学院を卒業している人だけが応募できるという条件だったので、大学院を修了して、いざ就職活動の段階になったのですが…。どうやら仕事内容が私のやりたいことと合わないことがわかりました。それで方向を変え、薬剤師の仕事も楽しそうだなと、大学病院に勤めることにしました」

--大学病院というと激務というイメージがありますが…?
「いえ、病院によって差はあると思いますが、私はほどよくプライベートも両立できていました。それに大学の教科書で学んだことが、現場ではこう活かされるのかと実感できるやりがいのある職場でしたね」


在宅ワークならすぐに仕事が再開できる

子どもが小さいうちは、薬剤師にこだわらず、できることをやってみようと思った

第一子の出産を機に病院を退職したりんさんは、2歳差でさらにふたりの子どもを授かります。当初は子育てが落ち着いたら、薬剤師として薬局などで働く姿をイメージしていました。

--失礼な質問ですが、薬剤師はパートでもお給料はよさそうです。
「そうですね。実際、2人目の子どもを妊娠しているときに、調剤薬局で半年間だけ働いていたんです。時給は2,000円で、週1度4時間のパートでした。でも、また出産を控えていたので長くは勤務できません。その後は、末っ子が幼稚園に通うくらい、つまり本来なら今年(2022年)あたりから薬剤師パートを再開できるかなとは考えていましたね」

--どこで予定が変わったのでしょうか。
「何年も待たなくても、家で短時間でできる仕事があるのでは、と思い始めたんです。薬剤師の仕事を再開できるまでの期間限定のつもりで、オンラインでライター講座を受けて、隙間時間を活用して記事の執筆を始めたのが最初ですね。2020年のことです」

--その後、現在も更新を続けているご自分のチャンネルでの音声配信「Stand.fm」も始めましたね。
「2020年の10月からほぼ毎日更新しているので、放送は800回を超えました!(2022年9月現在)これも、きっかけはライターになって入ったコミュニティの中で「音声配信という手段がある』と聞いたことでした。

いろんなオンラインでの出会いが、今につながっていますね。同じくコミュニティのつながりから、ある企業での定期的な座談会でのファシリテーションも任せていただけるようになりました。2年かけてゆっくり考えた結果、薬剤師のパートに出るより、今の仕事の方が向いているし、楽しく続けられるのではないかと思い、フリーランスを選びました」

ファシリテーションとは、フォーマルな会議から数人での集まっての会話まで「円滑に進める技法」などと考えられています。「司会」とも似ていますが、あくまで進行役が司会者の責任に対して、ファシリテーターは会議の当事者のひとりとして、結論や合意を得る役割が期待されます。


「人の話を聴く」奥深さに惹かれて

参加者さんが満足を得やすい少人数のファシリテーションがもっとも得意


ファシリテーションの目的は会議の性格によってさまざまです。その場の議論を活性化させ、いろんな意見を聞き出そうとするアイデア出しから、究極の二者択一で合意と納得を経て結論を導く会議では、求められる役割は異なります。

りんさんは前者、すなわちオンラインの会議で参加者に温度差があっても、できるだけ全員が議論に参加できるような雰囲気づくりに、自身の適性があると感じています。

--今こうしてインタビューさせていただいてますが、ファシリテーションにはまた違う難しさがありそうですね。どうしてチャレンジしてみようと思ったのですか。
「あるコミュニティで、私が不在のときに「彼女がいると会話が盛り上がるよね」と、言っていただいたことを後で知りました。振り返ると、けっこう同じような経験があったので、これは自分に適性があるのかも…と思い始めたんです。

いろんな人が活発に議論できていると、私も手応えがありますし、逆に発言していない人がいると気になって仕方ないんですよね。居心地が悪くなってしまうんです」

--そうした空気感に敏感なのは、大切な能力な気がします。りんさんがファシリテーションをするうえで心がけていることがあれば教えてください。
「同じ空間にいる人、ひとりひとりが心地よいと思える“距離感”を大切にしています。この距離感って十人十色なんですよね。グイグイ迫っていい人もいれば、頭の中でじっくり考えを巡らせたい人もいます。だから私なりに瞬時に観察をして、その人にあわせたアプローチを考えます。

ただ質問や感想を尋ねて反応がなければ「では、◯◯さんから順番にお願いします!」なんて、強引に進めることもあります。もちろん、当てても大丈夫そうな人を見極めてからです。そうすると、みなさん遠慮しているだけで、いろいろ会話が弾むことって多いんですよね。

時間内に全員が発言できて、みんなが「ちゃんと参加できた」と満足感を得られている感覚って、オンラインでも空気として伝わるものです。だから難しいことだけれど、みんながつながれた瞬間はとても楽しいですね」


仕事も、家族との時間や遊びも楽しめる人生を

これからは、外見ではなく、内面の「カッコイイ」を目指したい

所属するさまざまなコミュニティで、ファシリテーションする機会が増えてきたというりんさんには、いつか自分なりのファシリテーション方法をまとめてみたいという想いもあります。一方、将来のキャリアを特定せず、柔軟さも持ち合わせていたいと考えています。

--ファシリテーションを極めたいという考えはありますか。
「極めるというのとは少し違うのですが、自分なりに気づいたファシリテーションのテクニックや考え方などをまとめてみたいなとは考えています。また私自身がパワフルでエネルギッシュな人が好きで、自分もそんなパワーや元気を与えられる人になりたいと思っています。

本来、ファシリテーションって「自分が、自分が」と、前に出る役割ではないですが、この人のファシリテーションや話を聴いているとパワーが出てくるねって言われたらとてもうれしいですね」

--どんどんファシリテーションの仕事を増やしていきたいですか?
「もちろんお仕事をいただけるのは歓迎ですが、ずっとファシリテーションの依頼を受け続けるか、フリーランスとして具体的にどんな姿になりたいかまでは明確になってないんです。

また薬剤師として働く場面でもファシリテーションの技術は活かせるかもしれません。たとえば在宅医療では、薬剤師も看護師やケアマネジャーなどさまざまな職種と連携する場面が求められます。たとえば「この患者さんの薬はだれが管理するべき?」など、患者さんやご家族を含めてみんなが納得するようにファシリテーションできたら……なんて想像もします。

また、医療従事者を相手にインタビューするといった仕事にもチャレンジしてみたいですね」

--そのときに楽しそうな選択をするということですね。
「そうですね、プライベートを充実させるために働くけれど、仕事も楽しいねという状態にしたいなと思っています。自分が心地よいと思えるように遊び、家族との時間、そして仕事のバランスを取っていきたいですね」

--思い描いていたキャリアウーマンの姿とは、変わったでしょうか。
「たしかにスーツにハイヒールで、オフィス街に通う姿ではありません。でも3児の母となった今、オンラインを舞台にさまざまな方に、自分が提供できる「価値」は届けられるようになりました。カッコイイ女性像の形はいろいろあるんだなと、感じています。自分自身でカッコイイと評するのは違うかもしれませんが(笑)あこがれを追求する日々を送れています」

800回を超える音声配信やさまざまなコミュニティへの積極的に参加することなど、りんさんは2年以上も、自身のスキルアップのためにさまざまな努力をしてきました。根底にあるのはカッコイイ女性でありたいという想いだったのでしょう。

自分自身が好きで興味のあることは、苦を感じず継続しやすい。だからこそ成長につながるという重要な真理を、りんさんの姿は教えてくれているようでした。


<取材後記>


りんさんの音声配信で培われた聞き取りやすい声、テンポのよい会話、自然体で裏表のない受け答えがどれも心地よく、普段のファシリテーションで多くの人が安心して自分の意見を伝えられる理由を垣間見た気がしました。自身が好きだと思えること、適性のあることを仕事にするのは、自分自身だけでなくまわりにも楽しさが自然と伝播するのかもしれません。

取材:藤原友亮
2022年からフリーランスライターとして独立。医療やビジネス系のインタビュー記事を多く手掛ける。読者の行動変容を促すライティングを得意とする。


いいなと思ったら応援しよう!