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【気づき】Vol.0811(2010年10月15日発行のブログより)
加藤諦三さん。
ある休日の午後、「地下鉄1日乗⾞券」で、
池袋、お茶の水、東京、銀座、表参道を旅してまわった。
その際に、相棒として持って行ったのが、
加藤諦三さんの⽂庫本『やさしい人』だった。
初版が2008年5月21日になっている。
いつも外に出かけるときには、
溢れんばかりの本棚の中から、旅の相棒を必ず、
「エイヤッ!」と、選ぶのだ。
すべての本がみんな、
「今度は私を⼀緒に連れて行って!」
「私の番でしょ?」
と僕に一斉に声をかけているかのようだ。
ここでも決断力のトレーニングになっている(笑)
僕の今までの人生で、加藤諦三さんの本はベスト3に⼊るくらいに、
たくさん読んできた。
もちろん、加藤諦三さんが膨大な著書を出しているから、
ということもある。
いくら大好きな作家でも、 3冊しか出ていなかったら、
どんなにがんばっても3冊しか読めないが、
100冊出している作家なら100冊読むことができる。
100冊でもすぐに読み終わってしまって、寂しいんだけどね。
でも100冊書く立場は、
100冊読む立場よりも遥かにたいへんだということは、
今ならよくわかります(笑)
改めて気づかされたのが、僕が人を観るときのベースは、
明らかに加藤諦三さんの心理学が影響していたということだ。
今回それがハッキリした。
なぜなら、今までは、
「フムフム、なるほど」
といった読み方だったのが、
今回は、
「うわっ、これ自分と同じ考えじゃん」
と勘違いするほどだったからだ。
先を読むまでもなく、オチがわかってしまうのだ。
いろんな作家の亡霊が僕にはインストールされている。
ありがたいことだ。
加藤諦三さんの人間を観る目は凄まじい。
ぐうの音も出ないくらいに打ちのめされ続けてきた。
反論の余地がない上に、
当たり過ぎて気持ちが悪くなるくらいなのだ。
それは、加藤諦三さん自身が、くよくよして、挫折して、
遠回りの人生の連続だったからに他ならない。
作家にとっては、
すべての遠回りがネタであり、仕事なんですね。
芸人とまったく同じです。
銀座に寄った帰り、
本当は青山一丁目で降りなくてはならないのに、
電⾞の中の読書に夢中になって、 2駅先の表参道まで来てしまいました。
せっかくなので、ヨックモックカフェで食事をして帰りました。
遠回りはやっぱり幸せですね。
追伸.
その加藤諦三さんを最初に紹介してくれたのが、
高校時代からの親友です。
『⼤学で何を学ぶか』
という初版1985年の文庫本を僕にくれたのでした。
僕の本好きは、これでさらに拍車がかかりました。
それは次の⼀節によります。
「学園を去って、何年経とうが、
ふと目をとじるときっと浮かぶ風景のある人と同じように、
繰り返し読む1冊の本を持つ人は、じつに幸せな人だと思うのである。」
ありがとう。
...千田琢哉(2010年10月15日発行の次代創造館ブログより)
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