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【気づき】Vol.0992(2011年3月21日発行のブログより)
ディック・フォスベリー。
1968年メキシコオリンピックで奇跡が起きた。
男子⾛り高跳びでおかしな格好で跳んだ選手が、 新記録を叩き出したのだ。
それまでは棒をお腹の側で超えるベリーロールが常識だった。
でも、ベリーロールには⾮常に高度なテクニックが必要であり、
かなり器用な選手でなければ習得に時間を要した。
たくさん挫折した選手のうち⼀⼈が、ディック・フォスベリーだった。
今のままでは自分が落ちこぼれのまま終わってしまうと悟った彼は、
ある⾏動に出た。
パワーだけはあったので、
正⾯から跳ぼうとはさみ跳びでベリーロールに対抗しようとした。
無謀だとコーチからは叱られた。
周囲から呆れ返られた。
それでも気にせず、狂ったように練習を繰り返していた彼は、
あるときバランスを崩して背中の側からバーを超えてしまった。
人類の⾛り高跳びの歴史を変える背⾯跳びの誕⽣だった。
2m24cmという世界新記録を樹立した。
「フォズの魔法使い」というあだ名がつけられた。
⾛り高跳びの話をしているのではない。
人類すべての歴史を塗り替えるのは、落ちこぼれなのだ。
落ちこぼれても腐ってはいけない。
落ちこぼれが腐ったら生ごみ以下の価値になってしまう。
腐って拗ねた落ちこぼれはすぐに群がって徒党を組むから、プンプン匂う。
落ちこぼれてから、初めて知性が磨かれる。
既存のレールの上から落ちこぼれたら、
自分でレールを創るチャンスなのだ。
天才は落ちこぼれからしか生まれない。
秀才は天才が創ったレールの上を粗相のないように、
コンコン叩きながら慎重に渡る。
秀才が歴史に名を残すことはない。
秀才と天才の決定的な違いは何だろう。
勇気があるかないか、それだけの差だ。
追伸.
率先して、落ちこぼれよう。
そして、そこから這い上がろう。
...千田琢哉(2011年3月21日発行の次代創造館ブログより)
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