【気づき】Vol.0987(2011年3月16日発行のブログより)
オープン・ウォーター。
評価に賛否両論が激しく分かれる作品はたいてい面白い。
ジョーズものは大好きな僕も、この映画の恐怖は限界に達した。
とっても単調でもどかしさもあるんだけど、
あまりにもリアリティがあり過ぎて、逆に冷めてしまうほどだ。
2003年公開のアメリカ映画
『オープン・ウォーター』。
製作費わずか12万ドルという噂は本当だった(笑)。
確かにお金はかかっていない。
お金はかかっていないが、本気を感じる。
ボロクソに言われるのを前提に作った覚悟が伝わる。
覚悟の⼀つに、本物のサメが泳ぎ回る中で撮影している。
ストーリーとしてはわずか1日にも満たない短い期間の、
とってもとっても単調な映画なんだけれど、
自分を投影してしまうから、ものすごい長さに感じる。
つまらなくて長く感じるのではない。
恐怖で長く感じるのだ。
作りもののジョーズは迫力がある。
本物のジョーズよりも迫力がある。
でも、本物のジョーズは、迫力はないけれど恐怖が半端ではない。
恐怖が半端ではないのは、
本物のジョーズだからというだけではない。
ジョーズよりもっと怖いのは、先が見えないという現実だ。
⼦どもの頃、旅行へ連れて行ってもらって、
高速道路で放り投げられて置いてけぼりにされたら、
いったいどうなるのだろう・・・
という恐怖があった。
今の世の中は、ひょっとしたらこの映画
『オープン・ウォーター』の状況そのものかもしれない。
先行きがまったく見えず、サメにも劣らぬ不安も⼀杯・・・否、違う。
この世の中は先行きが見えずサメがうようよしているからこそ、
遣り甲斐があるんだ。
⼀緒に迷子になろう。
追伸.
この映画の最大の恐怖は、フィクションでないところだ。
追伸の追伸.
早速2も観たくなりました。
追伸の追伸の追伸.
今週に入ってから都内のコンビニの異常な光景。
インスタントラーメン等食品の棚は完璧な空っぽ、
トイレットペーパー、トイレタリー商品が見事に完売。
震災や原発の影響による買い溜めなんだろうけど、
これでは本当に欲しい人が買えないから、
極端な品不足の悪循環を起こしてしまう。
...千田琢哉(2011年3月16日発行の次代創造館ブログより)
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