【我が師】Vol.0607(2009年10月5日発行のブログより)
はり・あんまのM先⽣
僕は⼤学⽣の頃から住む場所を決めた後に決まってすることがあった。
それは⾃分へのご褒美として全⾝あんまをしてくれる店を探すことである。
それも駅前の⾜裏マッサージとかアロマ系ではなくて、
本格的な盲学校に通っていたような頑固だけど
しっかり仕事をする⼈でなければどうしてもイヤなのだ。
これは昔からそうだった。
⼩学校や中学校の頃、授業中にウケを狙ったり笑わせるだけで
肝⼼の中⾝がお粗末というセンセイはたくさんいた。
何というか、⾃分の教えている科⽬に誇りを持っていないというのかな、
笑わせるのは漫才師でいい。
あんまも同じだ。
きちんとプロとして⼈類の知恵の最⾼峰の技術を施して欲しい。
そうした頑固者のあんまの先⽣の共通点がある。
⽬が不⾃由な分だけ記憶⼒が発達しており、
とてつもなく博識だということだ。
普段誰も相⼿にしてくれないので、
時間があり余っている私が⾏くとすごくうれしそうに待ってくれている。
そこで溜まりに溜まった情報や鬱憤を浴びせられるのだ。
あんまを40年とか50年とかやっていると、
当然有名⼈を含めていろんな⼈を揉んできている。
床屋さんもそうだがその時間中、
たとえどんな偉⼈でも 頭を垂れなければならないし、
⾝を委ねなければならい。
その知識と知恵が実にスゴイ。
⽬で⾒た情報ではなくて、
⽿と⼿とココロで感じた⽣の知識や知恵だからだ。
本来1時間の料⾦でお願いしているのに、
いつも2時間くらい揉んでくれる。
政治論や経済論、医療問題からときには芸能ニュースに⾄るまでの議論を
ふっかけられるのに唯⼀僕だけが逃げることなく付き合うからだろう。
その証拠にどんなに直前に電話をしても、
ほとんどいつも⼀発で予約が⼊れられる。
M先⽣の腕のよさもあって、
意識朦朧として薄れていく意識の中、
いつもコテンパンに論破されてしまう。
僕の社会⼈になってからの学校は
8年以上通い続けているM治療院だったのだ。
...千田琢哉(2009年10月5日発行の次代創造館ブログより)
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