【気づき】Vol.1167(2011年9月12日発行のブログより)
レイジング・ブル。
1980年米国映画。
主演ロバート・デ・ニーロ。
映画の多くを白黒画面で表現されている。
もはやボクシング映画というより、
猜疑心の塊となった人間の心理学の描写映画だと言っても過言ではない。
自分自身を信用できない人間は、周囲をすべて疑っていく。
遂には妻や実の弟たちも愛想を尽かして離れていってしまう。
もちろんそれ以外の人物は既に全員離れて行ってしまった。
だからより⼀層自分に繋ぎとめるために必死になって、粘着してしまう。
この悪循環なんだよ。
実は今まで僕の周囲にもそっくりさんがいた。
とても優秀なんだけど、猜疑心の塊だから周囲から人が離れて行っちゃう。
だからより⼀層繋ぎとめようと粘着してしまう・・・
⼀度この悪のスパイラルにハマり込むと抜け出すのは難しい。
現代でいってしまうと、精神的な癌かもしれないね。
この映画を観て感じるのは、本当によく人間を観察し、
熟知しているんだなって何度も落ち込んでしまうんだね。
こんなに人間を知り尽くしていなければ、
名作は完成しないんだって。
謙虚になることができる。
平伏しちゃう。
誰もが心の中に持っている人間の本質を、
こんなにわかりやすく表現してくれているなんて、
ホント申し訳ないって思う。
ロバート・デ・ニーロはこの映画のために、
体重を25kg増減させた話は有名。
挑戦者であるミドル級チャンピオンから、
肥満型成功者まで全部一人で演じるわけだからね。
まさにプロフェッショナルの極みだね。
「役者だなぁ・・・」って表現を使う時、
たいていは皮肉の意味を込めて言われてしまっている。
でも、ロバート・デ・ニーロ演じる役者魂は迫力が半端ではない。
執念・怨念とも受け取れるくらいの迫力を感じる。
『タクシードライバー』
と並んで僕が好きな映画だ。
追伸.
演技力でアメリカ人が大幅に上回っていると思われるのは、
それだけ多民族国家で生きているからだね。
周囲を簡単に信じられないわけだから、
握手したりスマイルしたり日常が演技そのものなんだね。
握手の仕方や笑顔が異常なほど決まっているもんね(光)。
その裏には猜疑心(影)があるってことだよ。
ロバート・デ・ニーロの特徴ある笑顔なんて、
演技とわかっていても許せてしまう。
...千田琢哉(2011年9月12日発行の次代創造館ブログより)
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