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【気づき】Vol.0835(2010年11月5日発行のブログより)

弘兼憲史著『黄昏流星群[笑う星るすマン]』。

コンビニでマンガを買った。

初めてコンビニでマンガを買った。

有名な漫画家である弘兼憲史氏の
『課長島耕作』シリーズも読んだことはあるが、そんなにハマらなかった。

同じサラリーマンもので、
『サラリーマン金太郎』も先輩に強く薦められたことがあって、
チャレンジしたが、途中で挫折した。

そんなことを思い出しながら、外苑前の伊藤忠商事本社ビル向かいにある、
青山通りのセブンイレブンで偶然目にと飛び込んできた、
『黄昏流星群[笑う星るすマン]』をついでに買ってみた。

夕食を食べながら一気に読んだ。

面白かった。

とてもリアリティがあって、小説のようだった。

ハッキリした。

学生時代にはわからなかったはずだ。

それなりに読んでいたつもりだったが、挫折したのも無理はなかった。

理由は⼆つある。

1つは、まだお子様だったこともあり、経験不足に他ならない。

もう1つは、やっぱり当時は漫画よりも小説のほうが面白かった、
ということだ。

何というのだろう。

読み終わった後に、残るものが違うというのだろうか。

漫画は残るものがやっぱり軽い。

小説はズッシリくる、というのだろうか。

小説を読んだ後の映画の感覚に似ているかもしれない。

とはいうものの、
今ならハッキリと映画は映画、漫画は漫画、小説は小説、の素晴らしさを
多少なりとも感じられる。

それらはすべて比較するものではない。

個別に味わうものだ。

映画や漫画は、自分でイマジネーションを働かせる余地が少ない。

小説はとてつもなくイマジネーションが働く。

でも、映画や漫画には表情がある。

別のものとして楽しめばいい。

日本の漫画は世界中でとんでもない人気だ。

アジアはもとより欧米でも超⼀流の文化として、高い評価を受けている。

弘兼憲史氏の描く漫画には、表情にリアリティがある。

あまり夢を見させてくれないリアリティがいい。

⽢えを許さない厳しさがあるというのだろうか。

濡れ場のシーンもどこか哀愁が漂うリアリティがいい。

追伸.

漫画のページをめくるのが速い人がいる。

僕にはあれが信じられない。

もちろん、先を急ぎたくなる気持ちが痛いほどよくわかる。

でも、絵をじっくり味わいながら、
もったいぶって読み進めるのも悪くないのではないだろうか。

速く読みたい、という気持ちと、まだ読み終わりたくない、
という気持ちの葛藤がまた快感なのだ。

...千田琢哉(2010年11月5日発行の次代創造館ブログより)

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