【千田琢哉の頭脳】Vol.0551(2010年8月8日発行のブログより)
お恥ずかしい話、私は即答力がありません。周囲のお客さんや上司にもそれが原因でよく怒られます。これは小学校の頃からよくいえば熟考タイプ、悪くいえば、内気で頭の回転があまり良い子どもとはいえませんでした。社会人になってからは学生時代と違い、翌日までに宿題を仕上げればよいというものではなくてその場で即答できなければ信頼をなくしてしまいます。自分なりに性格を変えようといろいろ準備したり反省したりと試しているのですが・・・即答ができるような強い性格になる方法をご教授いただけないでしょうか。
(京都府・会社員・Oさん・男性・31歳)
即答力があるか否かは性格の問題ではありません。
勉強不足が問題です。
つまり即答力がある人は勉強した人であり、ない人は勉強をさぼった人、
ただそれだけのことです。
即答力に限らず、
何かができない原因を性格の問題であると思ってしまう人が多いです。
でも、それではいつまで経っても成長することができません。
即答力の勉強は、計算ドリルや漢字ドリルがあるわけではありません。
参考書を最後の解答・解説から暗記していくような受験勉強とは
対極の勉強です。
即答力の勉強は、勇気です。
間違える前提、バカにされて嘲笑される前提で即答してみるのです。
Oさんのよい点は、熟考する力があるということです。
即答力ばかりが発達して、熟考することができない人もいます。
即答力と熟考はどちらが上という問題ではなくてどちらも大切なのです。
即答→即答→即答→・・・
でもダメですし、
熟考→熟考→熟考→・・・
でもダメです。
即答→熟考→即答→熟考→・・・
のスパイラルが大切です。
即答すると、
「なんて質の低い回答をしてしまったんだ」
「もう生きていくことができない」
と自己嫌悪に陥ります。
猛烈に凹みます。
穴があれば入りたくなります。
これが次のステップの熟考で活きてくるのです。
凹まないように熟考するのと凹んでから熟考するのとでは
脳みその回転率がまったく違ってきます。
凹まないようにしようと予習をすると、
気づくことはせいぜい3つくらいのことが、
リアルに凹むと100個気づくというくらい違ってきます。
「なんであんなバカな回答をしてしまったのだろう」
「どうして普段考えていることと違うことを口走ってしまったのだろう」
はまだ凹みの度合いからいうと浅いです。
「頭が真っ白になって何も言えなかった」
というのがもっとも質の高い凹みです。
「あ~」
「う~」
「えっと・・・」
としか言えなかった。
その後熟考して万全の準備をした。
にもかかわらず、
結果は100準備したうちのたった1しか相手に伝わらなかった。
この繰り返しです。
100準備したうちの99が成長の伸びしろです。
熟考ばかりしているのは性格の問題ではなくて、
単に恥をかく勇気がないだけの話だったのです。
...千田琢哉(2010年8月8日発行の次代創造館ブログより)
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