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【気づき】Vol.0806(2010年10月11日発行のブログより)
簡単に会えてはいけない。
今回は自戒の意も込めて。
「ぜひ、会ってください」
「ぜひ、⼀緒にご飯食べましょう」
僕自⾝が20代の頃によく使った言葉だ。
逆に、最近は頻繁にこうしたメールをいただくようになった。
ここで大切なのは、簡単に人に会えてはいけないということだ。
簡単に人に会うと、逆に出逢いを少なくしてしまうこともあるし、
将来を狭めてしまうことも知っておく必要がある。
ここ最近は特にインターネットが縦横無尽に発達し、
いつでも気軽にメールできるようになった。
だからこそ、注意が必要なのだ。
20世紀であれば、接触すら持てなかったような人にも、
一方的にであればメールを送信することができる。
「返信はまだですか?」
とご立腹の人もいるというから、これは危険だ。
11月に出版される、
『顧客が倍増する魔法のハガキ術』(技術評論社)という本でも書いたが、
⼀⽅的に自分から発信した手紙やメールに対して、返事がもらえて当然、
という考え方は危険だ。
もちろん、正式に仕事がスタートしている場合は別である。
正式に仕事が進んでいる場合は、
むしろ24時間以内に何らかのレスポンスを起こさなければ、
それは中止と判断してもいいだろう。
そんないい加減なノン・プロフェッショナルと仕事してはいけない。
あまりにしつこいから会ってみると、
単に自分の不安を打ち消すための暇潰しだったりする。
そして、そうした人に見られる共通点が、
ブログも本も読んでいないということだ。
もう⼀度、同じことを質問されて同じことを説明しなくてはならない。
僕が20代の頃は違った。
少なくともその人と会いたいと思ったら、
その人が出してる本はすべて読んで、ブログにも目を通し、
インターネットでひと通りの情報を掴んだ上で面会した。
こうすると、最初の第⼀声の質問から違ってくる。
つまり、相手も本気で話してくれるようになる。
「Aさんはどちらご出⾝でしたっけ?」
「Aさんが独立した経緯を教えてください」
という質問は最悪だ。
これだけでまともに相手にしてもらえない。
僕は日経新聞やマスコミを散々賑わせたような、
超メジャー級の経営者たちを仕事上でインタビューする際には、
恐ろしいほどマニアックな質問をしたものだ。
そうでなければ、相手に失礼だし何よりも、
得るものが少なくなってもったいないと思っていたからだ。
講師控室のデスクの上には、
最新刊に付箋を20ほど貼り付けたものを置きながら、
「社長の履歴書には空白の1年間がありますが・・・」
「社長は昨年からネクタイが
暖色系から寒色系になったような気がしますが・・・」
と投げかける。
相手が好きだということは、
それだけ具体的で細部にまで目をやっているということだ。
好きだけれども、抽象的で大雑把な知識しかないということはあり得ない。
もしそうだとしたら、大して好きではない、
それほど興味がないということである。
これは100%バレる。
今の時代、アクセスが容易になったが、
間違って⼀度会うことができたとしても、
金輪際会ってもらえない可能性も高くなってしまった。
自分が同格と思っている相手は、たいてい最低でも2ランクは相手が上だ。
これはもう間違いない。
自戒の意味を含めて、ね。
追伸.
江戸時代の仇打ちと同じ。
仮に数十年かけて仇に出逢ったとしても、
単に会えただけで自分の力を磨いていなければ、
仇にその場で殺されてすべておしまいです。
つまり、無理に1回会ってもらっても、 2回目はないということ。
永遠の通行人として終わってしまうんだね。
会うためには、自分を磨いてから会わなければ、
逆に人脈も人望も失くしていっていることに気づきたいね。
⼀番いいのは、どんどん自分を磨いて、
その上でどんどん人に会うことだけれども。
...千田琢哉(2010年10月11日発行の次代創造館ブログより)
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