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【気づき】Vol.0837(2010年11月6日発行のブログより)
格安チケット。
僕は以前少しでも安ければという理由で、
格安チケット売り場を積極的に活用していた。
新幹線では平均して東京-大阪間なら、片道300円かそこら安い。
それでも普通に緑の窓口で買うことにしたのだ。
理由はこうだ。
7割の確率で接客が相当に悪い。
「自分たちはどうせ格安で売ってあげているのだから」
という甘えがあるような気がして仕方がない。
服装や頭髪、言葉遣いも、 JRの社員と比較するのは悪いが、
雲泥の差と言わざるを得ない。
別にJRを褒めているのではないので誤解なきよう。
片手で名刺をヒョイとひっくり返されて、
ガムを噛みながら領収証を書かれたときには、素性を疑ったものだ。
「ああ、これはもう修正困難だな」と。
それを会ったすべての付き合い先の社長に話したところ、
「あんなところで買ったことがないよ」
「なんであんなとこで買うの?」
「ああ、そりゃそうだろ・・・」
という共通の答えが返ってきた。
ちょっと驚きだったが、ついに僕もそうなってしまった。
結局300円程度でその旅が台無しになるくらいなら、
正規料⾦や別ルートで購入したほうがいいと思える。
大切な商談にも支障をきたす恐れがある。
「安物買いの銭失い」とはこのことだ。
逆にいえば、昔のリフォームやパチンコ、タクシーのように、
現状が酷いからこそチャンスなのだけれどなあ・・・
格安チケットに限らないが、世の中って本当に平等だと思う。
何かをケチったら、何かを失わなくてはならないようにできている。
例外はほとんどないなあ・・・
いろいろ批判もあるようだが、「マズローの欲求段階説」を改めて
考えさせてくれるいい機会だった。
そういえば、カフェでもコーヒー1杯の料⾦が上がれば上がるほどに、
サービスのハズレが著しく減少していく。
1杯290円のスタバの
「本日のコーヒー、ショートサイズ」も決して悪くないが、
1杯1000円以上するホテルの
「お代りし放題」
を注文して豪華なソファーに深く腰掛けながら、
完璧な接遇を味わうのは格別だ。
追伸.
ここ最近は飛行機より新幹線派だけれども、
新幹線のグリーン車両のサービスレベルは以前より随分向上した。
飛行機にかなりの顧客を持って行かれたというのも、⼀つの理由だろうが、
ANAの国内線スーパーシートとはまだ比較にならないものの、
JRのちょっぴり本気を感じた今日この頃である。
高ければいいというものではないが、
高く設定しておくと甘えが許されずに、
自分たちのサービスレベルの結論が出してもらいやすい。
安かろう悪かろうだと、
安さこそがすべてだという顧客がついてきてくれるが、
高かろう悪かろうでは、誰もついてきてくれないから。
...千田琢哉(2010年11月6日発行の次代創造館ブログより)
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