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【気づき】Vol.0922(2011年1月19日発行のブログより)

千代田区の不思議。

東京都内でメガバンクや名だたる財閥系企業の本社が密集する千代⽥区。

ここ千代⽥区に昼間は85万⼈が集う。

東京の人口が1300万⼈だから、
85万⼈という数値は異常な数値の高さだ。

たった1つの区だけで立派な政令指定都市並の人口なのだ。

特に霞ヶ関や永⽥町には凄まじいまでの人口密度だ。

巨大ビルにはウジャウジャ人がいる。

こんな場所でまともにランチタイムに行列に並んだら、
間違いなく⾷べる時間よりも並ぶ時間のほうが圧倒的に⻑い。

へたをすると、
始めの⼀⼝⽬を⾷べる頃には昼休みが終わってしまうこともある。

ところが、である。

平⽇の夜や休⽇になると⼀気に⼈が激減してしまう。

寒い冬がより⼀層寒く感じる。

なんと、平日の昼間に85万⼈もの⼈たちが働いていたのが、
4万⼈にまで減ってしまうのだから無理もない。

とっても珍しい地域なのだ。

僕はこうした殺風景なオフィス街を歩くのが好きだ。

⼤阪だと淀屋橋や本町がそうだった。

ニューヨークのウォール街もそうらしいね。

どうしてこういった殺風景な場所が好きかっていうと、
がんばった後のオーラが漂っているからだ。

翌朝また多くの人たちがやってくるんだけど、
その間にエネルギーを充電している最中というのかな。

少なくなった酸素を補充してくれているような気がして仕方がない。

もぬけの殻というのは、エネルギーが詰まっている。

殻には歴史が刻み込まれていて、そこに物語があるからだ。

丸の内で⼀番好きなビルは、東京海上日動本館ビルだ。

あの赤レンガの気丈なビルがいい。

まさに孤高という漢字がよく似合う。

⼀昨年12⽉にここで講演したとき、
このビルの地下にあるかの有名なワタナベ書店に、
僕の保険業界向けの本がドサッと積まれていたのは爽快だった。

皇居前にあれだけのビルを最初に建てたのは、
当時にしてみれば、まさに “タブーへの挑戦” だったはずだ。

コンクリート色にガラスを張り詰めた他の近代的なビルとは、
ハッキリと⼀線を画す。

哀愁が漂っているのも好きだ。

まさに千代⽥区の象徴だと思う。

⾳楽も建築物も悲しい静かなものがいい。

火傷しそうなくらい熱い心を鎮めてくれるから。

追伸.

飛行機だけではなく、都市にもエアポケットはあるんだね。

...千田琢哉(2011年1月19日発行の次代創造館ブログより)

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