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【気づき】Vol.1011(2011年4月9日発行のブログより)

洞察力の原点。

大前研一さんの著書。

『洞察力の原点』(日経BP社)

簡単に言ってしまうと、大前研一語録集だ。

氏の本はすべて読んだから、
全部過去に読んだことがある内容ばかりだった。

1つ改めて気づかされたのは、
僕は大前研一さんにとても影響を受けていたんだな、ということだった。

表現の違いはあるけれど、
自分の発想の原点はこの言葉だったんだな、
とカフェで一人でニヤニヤ笑いながら読んだ。

無意識のうちに細胞に刷り込まれていたのが、うれしい。

コンサルタントの世界がそれまで汗だくになって、
毎年1mずつやっとこさ成長していたところを、
大前さんの登場で⼀気に100m突然変異させ、様々なコンサルタントや、コンサルタントもどきたちを⾷べさせる下地を築いてくれたのは、
満場⼀致で大前研⼀さんだというのは、
コンサルティング業界の人間であれば誰もが知るところだ。

どの業界にもそんなパイオニアはいるよね。

コンサルティング業界は、
1994年に大前研一さんがマッキンゼーを退いて明確な区切りがついた。

MITの博⼠号も取得している大前研一さんは、
日本で唯⼀原子爆弾をゼロから作れる人間と噂されて、
某宗教団体に誘拐されそうになったこともあるという。

また、ごく最近も含め歴代の総理大臣からアドバイスを求められ続けている。

世界中から5万ドル(ファーストクラス交通費別)の講演料で招かれている。

僕は大前研一さんの本をよく読んではいたものの、
大前研一さんがきっかけでコンサルタントになったわけではない。

そもそも経営コンサルタントなんていう職業は、
大学時代には無関心であまり存在すら知らなかった。

大前研一さん自体は、
よく分からない怪しくて小さな会社の学者崩れの毒舌で癖のある人だな、
というくらいの印象だった。

ただ、ちゃんと勉強しているうちに、
内容があまりにも鋭くて予想が的中し続けるから、
優秀過ぎて日本では抱えきれない人もいるのだな、
とボンヤリと思っていたくらいだ。

ごめんなさい。

さて、肝心な本について。

こうした語録本というのは、
今までその元ネタとなった本を読んだ人でなければ、
醍醐味を感じることは難しいと改めて気づかされた。

もちろん、本書で大前研一さんの頭脳に存分に触れてほしいとは思う。

でも、少しでも感銘を受けたら元ネタの出典本を、
どうか1冊でもいいから読んでほしい。

きっとその洞察力にあきれるほどに驚かされるはずだから。

同時に、洞察力というのは運や才能だけではなく、
愚直なほどの事実をベースにした論理的思考によって導かれることを。

まだ68歳の大前研一さん。

どうか故ピーター・ドラッカーのように長生きをして、
偉大な頭脳から溢れる知恵をこれからも発信し続けてください。

分野は違っても、僕の中の大前研一さんは、
なぜか鬼才ゴッホを彷彿させるのだ。

追伸.

IQ200超の大前研一さんが、
東大文科Ⅰ類の数学試験中に居眠りしたエピソードが僕は好きです。

浪人せずに友人の付き合いで受験した、
まったく畑違いの早稲田大学理⼯学部にそのまま入学してしまうのも
すごい。

居眠りしなければ、きっと歴史が変わっていたんだろうなぁ・・・。

どちらかというと不本意に進んだコースに打ち込んだことで、
その後実を結ぶ人は多い。

遠回りこそが⼀番の近道だと後から気づくんだね。

当初の心の底の第⼀志望は、
クラリネットで東京藝術大学を目指していたというのも更にシブい。

 ...千田琢哉(2011年4月9日発行の次代創造館ブログより)

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