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【気づき】Vol.0867(2010年12月3日発行のブログより)
戦略。
僕が嫌いな言葉に、「戦略」がある。
これは、コンサルティング会社時代にもっとも周囲が使っていた日本語。
いつも、じんましんが出るほどに嫌悪していた。
コンサルタントとして未熟な人間ほど、「戦略」を連呼する。
「戦略」という日本語を口にする頻度と、
その人のビジネスセンスは見事に反比例する。
これは、ハッキリと断言できる。
組織のリーダーについてもこれはいえる。
「戦略的に・・・」
といちいち枕詞をつけてロクに行動に移さない人は多い。
「戦略」と口にすることで自己完結しているのである。
「戦略」と口にすることによって自己陶酔しているのである。
経営者がこうなったら、もはやおしまいだ。
僕がコンサルタントのときは、これを逆手に取ったものだ。
自分の思考能力にコンプレックスのある社長には、
「社長!ここは戦略的に行きましょう!」
と言うだけでご機嫌になったものだ。
今だから言えるが、「社員はお気の毒だな」と同情したものだ。
書籍でもそうだろう。
「戦略的ナントカ・・・」
というタイトルだとそれだけで売上アップに直結する。
「MBA式ナントカ・・・」
で売上がアップするのとまさしく同じだ。
ひと昔前なら、「ニーズ」「CS」を連呼するのが流行った。
「ニーズ」「CS」と口にすることで
妙に仕事をしているような気になってしまう。
これらを口にすること自体が、恥ずかしいことなのだ。
すでに周回遅れであることを自ら主張しているのだ。
「顧客のニーズ」ではなく、
「お客様が大切な用事をドタキャンしてでも欲しがるもの」
「CS」 ではなく、
「お客様が周囲に言わずにはいられない麻薬のようなサービス」
「戦略」 ではなく、
「終わった後に後悔が少ない選択」
といったような具体的なイメージしやすい日本語を使う。
そしてそれらはすべて日々進化しなくてはならない。
果たしてあなたの会社のサービスは、麻薬に勝つことができるだろうか。
僕のブログ、講演、著作、連載、DVD、CD・・・
すべては麻薬に勝てることを目標としている。
麻薬の常習犯が、
「僕の本を読むほうが快感だ」
と言ってくれるように書いている。
追伸.
ライバルはクスリです。
...千田琢哉(2010年12月3日発行の次代創造館ブログより)
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