子どもへの「すばらしい」とか「よくできました」といった 声掛けの効果は全くない。
子どもの学力に影響を与え得る要因に関する 134のメタ分析の結果、 学力に最も大きな影響与えるのは フィードバックであるということであった。
フィードバックとは
学習者が自身の記憶に保持されている知識を確認し、 またその知識に追加したり、上書きしたり、調整したり、再構築したりするために用いられる情報のことである。
→子どもが自分の現状を客観的にとらえ、 次に何をする必要があるのかに関する情報と言える。
フィードバックには
課題遂行レベル
解決方法を理解する過程のレベル
自己調整のレベル
自己レベル 4つがある
著者はこれら4つの中の 自己レベルのフィードバック
つまり褒めることは全く効果的でないとし、
「どこに向かっているのか」(学習目的、達成目標、到達基準)、
「進み具合はどうか」(自己評価)、
「次に何をすべきか」(次の段階、新しい目標)
と言う問いに答えるフィードバックが効果的であるとしている。
→私たちは、ほめることに必死になるあまり、 子どもたちにとりあえず、肯定的な声掛けをしようとする。 その結果、自己レベルの(効果のない)声掛けに とどまっていないか注意する必要がある。
より効果的なフィードバック
何を間違ったのかを示すことよりも
どうすれば正当となるのかを示すこと。
過去と比較してどのような変化があったのかを示すこと。
→あらかじめ設定した目標に基づいて 子どもの状態を評価し どうすればその目標を達成できるのか また、何が良かったのかを 行動レベルで具体的に伝えていくこと が学習効果を高めるうえで重要と言える。
参考・引用文献
John Hattie.(2009).VISIBLE LERNING.Routledge.
(山森光陽(監訳)(2020).教育の効果 メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化.図書文化社)