「ADHD児への支援」ただ不必要な刺激を取り除けばよいというわけではない
▷「不必要な刺激」の中には課題の遂行を促進するものもある
課題を無音の静かな環境で行う群と
ホワイトノイズ(不必要な刺激)が流れている環境で行う群
に分ける。
定型発達児が、後者で成績に変化がないか、
むしろ悪くなることがあったのに対し、
ADHD児は、後者で成績がよくなることがあった。
→「不必要な刺激」が課題の遂行に役立つことがある。
▷「不必要な刺激」があっても「必要な刺激」を見つけ出すことができる
画面の中に提示された刺激の中から
特定の標的刺激をなるべく早く見つけ出す課題において、
妨害刺激の数が多いほど反応時間がかかる。
一方で妨害刺激が増えても反応時間が
定型発達児と変わらない時があった。
それは、標的刺激に色がつけられており
目立つ場合であった。
→「必要な刺激」を確実に受け取ってもらうために、
「不必要な刺激」を減らすことと合わせて、
「必要な刺激」を目立たせる工夫をすることも忘れてはならない。
⇒注意機能の中でどこに弱さがあるのか、
また活用できるものは何かをアセスメントしておくと、
教育活動をしていくうえで有効な手段を導きやすい。
~参考文献~
北洋輔・平田正吾.(2019).発達障害の心理学―特別支援教育を支えるエビデンス.福村出版.