その宿題意味ありますか?
子どもが塾などに通っていない時、家庭学習に何をさせたらよいかわからず、学校から多くの宿題がだされる方が安心と考える保護者もいるかもしれない。
しかし、宿題に費やした時間が多いからといって、学習成績が上がるということはほとんどないということがわかっている。
※上記の内容は小学生に関することであって、中・高生はまた別である。
さらに悪いことに、保護者が子どもに宿題をやらせようとすればするほど、子どもの学習への意欲や、子どもが自分で学習に取り組む自律性も低下する。
宿題は学習習慣の形成にはつながらない
宿題には子どもが自力で取り組めないものや、取り組まないと学校の学習に影響が出るものがある。
これらの宿題は、子どもの家庭で学習することに対するモチベーションを下げる。
その結果、「とりあえず答えを写そう」といった誤った学習行動や、効果的でない学習習慣を身につけてしまう可能性がある。
私自身、小学校で教師をしていた際、子どもたちに家庭での学習習慣をつけてほしいと宿題量を多く設定したことがあった。
しかし、宿題を出したからといって、子どもたちの学習を管理する力を高めるというエビデンスはないということを知り、深く反省した。
学習効果の高い宿題
一方で、学習成績に効果のある宿題も明らかになっている。
それは、暗記、練習、繰り返しなどの子どもが短時間で自律してできるようなものである。
さらに、それらの宿題は、教師によって丁寧に点検、管理されることによって、その効果はさらに高まるとされる。
子どもたちは、誘惑が多い家でやりたいことを我慢して宿題に取り組む。
頑張って単語や漢字などを覚えて、テストでいい点がとれる。
そして、その頑張りが認められるような宿題を出すことが重要といえる。
参考文献:John Hattie (訳:山森光陽)(2020)教育の効果 メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化,図書文化社.