近年の「龍が如く」について語る②狙いが透けているシナリオ
①から引き続き読んで下さっている方はありがとうございます。前回に引き続き、今回も近年の龍が如くについて語っていく。では語ろう。
②狙いが透けているシナリオ
これは特に8の本編で感じた事なのだが、
これをやりたかった!
あれをやってみました!
どう?面白いでしょう?
斬新でしょう?
…単刀直入にいうが、製作者側の主張が強いゲームほど冷めるものはない。面白ければ良いが、シナリオにまで盛り込まれてつまらないと反応に困る。それに振り回されるキャラクターと設定はたまったもんじゃない。
ハワイでの話を作りたかった!!
…これが龍が如く8の根幹である。
まぁ、それだけにハワイの街並みの作り込みはすごかった。街を回っているだけでも楽しかったし、自分も本編そっちのけで散策を楽しんでいたぐらいだ。
だが、それに付いてきたシナリオがまぁ酷い。過去作において、胸糞展開が多くて酷いのが6なのだが、8のシナリオは単純に酷い。何故なら"ハワイで起こる全ての出来事がハワイである必要がない"からだ。早い話が日本でも作れそうな話である。しまいには敵対する側が、ハワイで悪さをした理由を聞いてもいないのにベラベラ喋り出すのである。そこはいつも通り主人公サイドが謎を探っていくところだろう、それすら出来なかったのだろうか。
その点、7は良かったのだ。新たな主人公である春日一番が活躍する話で、異人町を舞台にどん底から仲間に助けられつつ、事の真相へと少しずつ進んでいく。王道ではあるが今まで主人公だった桐生一馬には無い話の展開で驚かされる事もあり、話自体は面白かった。
だが、8は根幹がハワイでの話作りなせいで、登場キャラ全員がそれに振り回される事になる。特にそのシナリオの犠牲になったのが主人公である"春日一番"だった。ハワイでの物語を作らなきゃいけないから、"春日一番を何とかしてハワイに行かせなきゃならない" その結果、前作7で綺麗にまとまったはずの設定や人物像まで引っ掻き回す羽目になってしまったと思われる。その結果、春日一番の人物像は7→8に対して劣化してしまった。
今後この方針でいくとなると、新たなナンバリングが出るたびに製作者に振り回される春日一番を見なきゃいけないとなると、気の毒で仕方ない…。
③露骨なメディア露出 まとめ
へ続く…