マサラ先輩 (Part 1/2)
大学に入学したての頃、特にやりたいこともなかった僕は勧誘されるがままに小さなバスケットボールサークルに入った。人数は十人くらいで全員が友達といった雰囲気の良いサークルだった。
そこで雅夫先輩という人に出会った。彼は三年生で先輩たちの中ではあまり目立つ方ではなかったが、いつもニコニコしている人だ。そして雅夫先輩は周囲の人からマサラ、二年生からもマサラ先輩と親しげに呼ばれていた。
雅夫先輩はカレーが好きで、名前と字面が似ていることからきっとその名が付いたのだろう。新歓では特に