言葉の取り扱い方
私が遠距離彼氏と付き合ったのは、方言にやられたようなものだ。
福岡生まれ、福岡育ちの私にとって関西弁は珍しく、彼から吐かれる全ての言葉は魅力的なものだった。
今思えば普通の言葉も、彼が口にすれば特別なものに感じていた。
だが、ある出来事がきっかけで本当に彼が自分のことを好きでいるのか、疑い始めた。
このまま付き合うか迷い始めたと同時に、私は
だんだん彼の言葉に深みを感じられなくなっていた。
好きだったのは、方言という表面上の彼の言葉だったのだ。
彼は嬉しい言葉もたくさんかけくれたが、
思い返せば全部「方言」というフィルターがかかっていた。
だから彼の気持ちが私にないのではないかと感じ出した時、関西弁にやられていたのだと気づいた。
言葉は結局、中身があるかどうかだ。
女の子が喜ぶ言葉をかけてくれたとしても、いくらキュンとくる方言だったとしても、大切なのは志を感じられるか、だと思う。
私は誤った言葉の取り扱い方をしていた。
言葉の表面だけを見て良し悪しを判断してしまっていた。
「言葉を表面だけで見てしまう」という偏見が無くなったことが、この恋愛の学びの一つである。