
【2025年最新版】Archicadで敷地・地形を正確にモデリングする方法|等高線&測量データの活用から敷地境界線通り芯ツールまで徹底解説
目次
はじめに
Archicadは建築モデリングにおいて非常に優れたソフトウェアですが、敷地や地形の表現に関しては「難しそう」というイメージを持たれることも多いでしょう。
しかし実際には、等高線データや測量データ、メッシュツール、通り芯ツール、カスタムGDLオブジェクトなどを組み合わせることで、精度の高い敷地モデリングが十分に実現可能です。
本記事では、敷地作成の方法を大きく3つに分けて解説します。
等高線データを用いたメッシュ作成
測量データ(CSV/TXT)を用いたメッシュ作成
通り芯ツールやGDLオブジェクトを使った境界線作成
それぞれの具体的な操作手順や注意点を紹介しますので、ご自身のプロジェクトの状況に合わせて活用してください。
https://www.instagram.com/sena_archisoft/
方法1:等高線データからメッシュで敷地を作成する
1-1. 等高線データの準備
データの入手
現地測量データや国土地理院の等高線データなど、敷地の元データを用意します。
形式の変換
データがPDFなどの画像ベースの形式の場合は、Illustratorなどのソフトを使ってDWGまたはDXF形式に変換します。
必ず線データとして扱える形式にすることがポイントです。
1-2. Archicadへの読み込み
線データのインポート
Archicadのメニューから「ファイル」→「相互運用性」→「結合」を選択し、変換済みのDWG/DXFファイルを読み込みます。
インポート時にスケール(例:1/500など)を指定し、実際の寸法に合わせておきましょう。
1-3. メッシュの作成と編集
メッシュ作成
ツールバーからメッシュ(グリッドアイコン)を選び、敷地を囲む形でメッシュを作成します。
作成時点では平坦なメッシュですが、この後で等高線に沿って起伏を加えます。
グループ解除と編集準備
読み込んだ等高線データがグループ化されている場合、Ctrl + Shift + G(またはメニューから「グループ解除」)を選択して、編集しやすい状態にします。
等高線に沿ったメッシュ編集
メッシュを右クリック → 「選択してツールを有効にする」を選択します。
スペースキーを押しながら等高線上をクリックすると「新規メッシュポイント」を追加可能です。
この操作を各等高線で繰り返し、メッシュに等高線の位置情報を付与していきます。
重複を避けるために、元の線データは必要に応じて削除し、メッシュのポイントだけを残すと作業がスムーズです。
1-4. 高度調整と仕上げ
高度の入力
メッシュ上の各等高線ポイントを選択して「高度変更」を行います。
例として、500mm刻みの高さを設定したい場合、選択したポイントにZ=500mmなどの値を入力します。
滑らかな地形表現
メッシュの詳細設定から「3D表現を滑らかにする」オプションを有効にし、ゴツゴツし過ぎない自然な地形に仕上げます。
方法2:測量データ(CSV/TXT)からメッシュを作成する
2-1. 測量データの準備
CSV/TXTファイルの作成
測量で取得したポイント(x, y, z座標)を、カンマ・スペース・タブなどで区切って**テキストファイル(.txtなど)**にまとめます。
重複した行がないように注意し、必要な座標だけを抽出します。
2-2. Archicadでの読み込みとメッシュ作成
測量データのインポート
Archicadの「ファイル」→「相互運用性」→「測量データからメッシュを作成」を選び、作成したTXTファイルを読み込みます。
単位設定と配置
インポートのダイアログで単位などを確認・設定します。
画面上で基準点をクリックし、メッシュを配置します。
メッシュの確認
3Dウィンドウで、読み込んだポイントに基づいたメッシュが正しく表示されるか確認します。
必要に応じてメッシュのエッジや滑らかさを調整しましょう。
方法3:通り芯ツールとGDLオブジェクトを使った敷地境界線の作成
3-1. 通り芯ツールを利用した境界線の描画
通り芯ツールの特徴
平面図に線を描画するだけで、断面図や立面図にも自動反映されるため、ミスを減らすことができます。
敷地境界を少しオフセットして描画しておくと、作図や確認時に見やすくなる場合があります。
操作手順
ツールバーから通り芯ツールを選択する。
平面図上で、敷地境界より外側に1m程度オフセットして線を引く。
断面図で自動的に反映されるか確認し、必要に応じて「断面図設定」で斜め境界を表示する設定に変更する。
3-2. GDLオブジェクトによる境界線の強化
GDLオブジェクトの利用方法
敷地境界線だけでなく、境界名称・距離・法規情報などを同時に表示させたい場合、カスタムGDLオブジェクトを活用すると便利です。
設定手順
GDLオブジェクトファイルをArchicadのライブラリに追加する。
オブジェクトの設定画面から測量データなどを参照し、境界線情報を読み込ませる。
平面図・3D・断面図にそれぞれ反映させ、必要に応じてラベルツールで名称や距離を表示する。
その他のテクニックと注意点
3Dドキュメント機能を活用
メッシュに対してモルフやソリッド編集を行った場合は、3Dドキュメント機能を使って編集後の正確な輪郭線を平面図に反映させる方法もあります。
設計図書の説得力を高めるうえで非常に便利です。
Archicadバージョンによる操作差異
バージョン28以降など、新しいUIや機能が追加されているケースがあります。
最新の情報はGRAPHISOFT公式マニュアルやナレッジセンターを参照してください。
チュートリアル動画の活用
YouTubeなどには、敷地モデリングの操作解説動画が多数公開されています。
テキストベースの手順が分かりづらい場合は、動画を並行してチェックすると理解が深まります。
まとめ
Archicadで敷地を作成する方法は、大きく分けて以下の3つです。
等高線データを用いたメッシュ作成
外部で取得した等高線データをDWG/DXF形式に変換して取り込み、メッシュツールで起伏を作る方法。
測量データ(CSV/TXT)を用いたメッシュ生成
x, y, z座標の数値データを直接取り込み、自動的にメッシュを生成する方法。
通り芯ツールやGDLオブジェクトでの境界線作成
平面図・断面図に同時反映される通り芯ツールや、境界情報を付加できるカスタムGDLオブジェクトを用いる方法。
これらの手法を状況に応じて組み合わせることで、現実に即した敷地形状を正確かつ効率的にモデリングできます。
それぞれの工程のポイントを押さえながら、ぜひご自身のプロジェクトに最適な方法を取り入れてみてください。Archicadの豊富な機能を使いこなせば、思い描く敷地モデルをスムーズに実現できるはずです。
記事:https://www.instagram.com/sena_archisoft/
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