#13 海底の世界
今日の晩ご飯は、ピッツァにした(本場っぽいピザだったことを伝えたい)ので、トマトソースに一番合いそうなミディアムワインを開ける。常温で置いておいたので、あたたかな口当たりがよりまろやかさを増す。優しいワインの洪水がトマトが残した酸味を流し込み、融合した高度な味わいが喉を過ぎ去る。
海底堆積物
海は地球の7割を覆っている。そして、その海水は海底を覆っていることにもなる。
海水が全て蒸発したら出現するもの。
海底だ。
海底は海底堆積物(marin sediment)からできている。海底堆積物は、その名の通り海面から降ってきた物質が何千年と降り積もってできたものだ。
堆積スピードは場所に応じて異なる。
千年かけても1センチの厚みにはならないところもあれば、湾や三角州などの陸地から落ちてくる物質の量が多い場所だと5メートルも積もる場所までまちまちだ。
大西洋と太平洋を比較しても、大西洋は太平洋のおよそ二倍多く積もる。これは、大西洋に注ぐ川がより多いためだ。
原理は違うが、日本海側の北陸地方では大変雪が積もるが、太平洋側の関東ではそこまで積もらないのとイメージは似ているかもしれない。
さらに、海底ができた年によっても堆積量は異なる。
当たり前だが、古い海底ほど堆積時間も長いのでより分厚くなっている。一方で、プレート付近のできたばかりの新しい海底などの堆積層はとても薄くなる。
海底の年齢なぞ考えたことはなかったが、最も古い海底の年齢は180,000,000才(1億8千万才)になるらしい。たいそうご長寿である。
海底からわかること
このように、海底堆積物は過去の地球を教えてくれる。堆積物の量や質は当時の海を記録するものであり、それらの変化は地球の変化と考えられる。
物質自体・物質の構成・堆積の量といった指標から海の深さや陸からの距離、場所が特定できる。とはいえ、特徴的な分析対象となっている物質は4つほどしかない。
そして、これらの分析結果は人間の歴史とつなぎ合わせれば、人間活動や気候変動の影響を考えるための材料ともなる。
思うに。
今まで散々海について考えていたのに、海底についてはあまり思いを巡らしたことがなかった。ビーチであれば、どんな砂なんだろう?白いな黒いなサンゴが多いなどなど見て回ることも多いが、潜ってしまえば魚やサンゴたちばかり見てしまう。
それにしても、ダイバーが潜っている最中に海底の堆積物ばかり見ていたらちょっと不思議な気持ちになる。海藻やサンゴがないただの砂地であまり魚がいないポイントにはあえてダイバーを楽しませるため、車を沈めるところもあるくらいだ。それくらい海底について考えるとはマニアックなことだと思う。この世界に足を踏み入れることができて幸運だ。
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