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どうぞのソファー
診察が終わって隣にある調剤薬局に入る。
小さな薬局なので三人掛けのソファーベンチが2つあるだけ。いつも空いているのでそれで十分ゆったり座れるのだが、今日は珍しく人が多くて席が埋まっていた。立って待つにも狭いんだよなーと思っていたら、三人掛けのソファーベンチの端と端にゆったり座っていた年配の男性と女性が荷物を膝に乗せて身をギュッと細くして、ソファーの真ん中に私が座れるスペースを作ってくださってた。お二人ともにこやかな表情。優しい!
「あ、すみません!ありがとうございます!」とお礼を言って私も身を細くして座らせてもらう。
しばらくして私の右側に座っていた年配男性の名前が呼ばれ「はいはい」と言いながらゆっくりと窓口に歩き出した。するとなぜか私の左側に座っていた年配女性も立ち上がり窓口へ。男性と一緒に薬の説明を聞いて精算をしている。
え?夫婦だったん!?
気まず。なんで真ん中に私入れてくれたんやろ。ホストファミリーやないんやから。ここを自分の家やと思ってゆっくりしていってね〜やないのよ。
びっくりしつつ引き続き自分の順番を待つ。ホストファミリーが去ってソファーの両側が空いたので、壁際に移動して何となく壁に吊るされている「お忘れ物」と書いてある透明のビニール袋に目をやった。お忘れ物の袋はそれ一つだけで、滅多に忘れ物をする人がいないかすぐに持ち主が現れるってことなんだろうな、何の忘れ物なんだろうとよく見ると、装飾も何もない普通のピンク色のヘアゴムだった。しかも預かり日付「2022年◯月◯日」
いや律儀すぎるやろ!ゴミ箱の横に落ちてる紙くずでさえ一旦保管しておく帝国ホテルやないんやから!3年はさすがに捨てても持ち主許してくれると思うで!?
と、昨日読んだ銀シャリ橋本さんの『細かいところが気になりすぎて』の影響で脳内ツッコミが止まらないのでした。あーおもしろかった。