パソコン修理屋の豆知識さんのYoutubeチェンネルで見た「パソコン有償譲渡会の闇」がすごかった件 を読んで。

パソコン修理屋の豆知識さんのYoutubeチェンネルで見た「パソコン有償譲渡会の闇」がすごかった件
https://mbp-japan.com/aomori/ipconfig/column/5174319/

という記事を読みました。

自己紹介

私は、約20年間パソコンサポートの仕事をしています。
個人宅のインターネットの接続やトラブル対応、量販店の出張初期セットアップ、企業のパソコン入れ替え作業等を経験してきました。
ハードウェアの修理はできません。せいぜいメモリ増設やハードディスク交換程度です。
現在は公民館で初心者向けのパソコン講習をやってます。(これはボランティアです)

本題です。

最近YouTubeの「パソコン有償譲渡会の闇」と言う動画が削除されたことが話題になっています。タイトルの記事も、これに対して言及した記事です。

多くの関連動画がYouTubeに上がっていますが、ほとんどが憶測で主催団体を批判するもので、付けられたコメントには「詐欺」とか「反社」といった物騒なワードも登場しています。

この記事を選んだのは、多くの動画で問題とされている部分が簡潔にまとめられていたからです。この記事や著者を批判する意図はありませんので、ご理解ください。

主催団体について

個人的には、パソコン有償譲渡会の存在は知ってました。自宅にチラシが入っていたこともあります。有償譲渡会で購入したと思われるパソコンの設定をしたこともあります。
確かに性能はお粗末なものでした。
特に当時はHDDで、Microsoft Officeも入ってないので、メイン業務には到底使えません。ただ、そこは学習塾だったので、教材ソフトをインストールして生徒に使わせる用途には、十分に問題なく動いてました。

一般的に、パソコンが古くなったら廃棄するしかないのですが、私は「勿体ない」と思うので、後生大事に取っておくことが多いです。そんなパソコンを集めて整備して、再利用することを事業化したのは、素晴らしいことだと思います。

この主催団体は、HDDの完全消去も業務としてやっています。万一情報漏洩等が発生したら、事業を続けることができなくなるので、その意味でも信頼に足る団体だと思います。他に、パソコンの修理請負もやってますし、中古部品の斡旋等もやっていたはずです。
修理業者がこの主催団体を批判する動画を出して、関係が悪化したら、修理業者自身の首を絞めることになりかねません。

何かしらの圧力?

元動画自体には、主催団体を批判する意図はなかったと思いますが、コメント欄には憶測による主催団体への誹謗中傷が溢れてました。
それがさすがに看過できない状況になったので、動画を(コメントごと)自主的に削除したのではないかと、私は思っています。
外部からの圧力なら即削除で当然だと思います。猶予期間が設けられたのも、自主的削除と判断する根拠です。

PCのスペックについて

特に私が気になるところは
1.  価格を抑えた商品のスペックが低すぎること。
  メモリ4GB や ストレイジ SSD 120GB では使い物にならない   
   私が思うに、価格が少し高くなってもPCは快適に
   使用できるスペックで販売するべきです。
   安物買いの銭失いにさせてはならない。

https://mbp-japan.com/aomori/ipconfig/column/5174319/

HDDの時代なら、確かに使い物になりませんでした。
でもSSDになって、何とか実用レベルにはなっていると思います。もちろん、用途次第です。
実際に私も、これより古いメモリ4GBのパソコンに自己責任でWindows11をインストールして、公民館の講習で講師機としてしようしていますが、特に問題はありません。
「使い物にならない」と言ってるのは、以前のHDDのイメージが強烈に残っているからかもしれません。

もちろん仕事や趣味に活用しようと思えば、スペック不足でしょう。
大量のデジカメ写真を取り込むには、120GBでは到底足りません。
有償譲渡会のパソコンは、パソコンに触れたことのなかった人が、パソコンについて理解を深め、自分のやりたいことのためにどんなパソコンが必要かを学ぶための教材だと思います。
実際に使用してみないと、「何が必要か」「何が足りないか」なんてわからないものです。最初から高価なパソコンを買っても、自分のやりたいことができなかったら、結局パソコンを買い直すことになります。それなら、初期投資は安い方が良いのでは?と思います。
途中で挫折したとしても、被害は少なくて済みます。

有償譲渡会のパソコンが他の中古パソコンと決定的に違うのは、2年間保証と電話サポートが付いている点です。
近所に「自称詳しい人」がいて、無料でずっと面倒をみてくれるなら、ネットでもっと安価な中古パソコンを買えば良いでしょう。でもそんな人は滅多にいないから、いずれ街の修理業者等を頼らざるを得なくなります。そうなると結局、総額では譲渡会のパソコンより高くつくことになりかねません。

もし有償譲渡会のパソコンを「ぼったくり」と言ってしまうと、同等の手数料を取って商売をしている修理業者も「ぼったくり」と思われてしまうかもしれません。
それを危惧して元動画を自主的に削除したのは、外部からの圧力ではなく、社内(社長?)からの要請ではないかと推測します。「弊社の都合」と言葉を濁してますし。。

Windows11について

2. Windows11の必要条件をクリアしていないPCにインストールして販売しているということ
   将来的にWindowsUPデートができなくなった場合に
   結局はユーザーが不利益を被る。

https://mbp-japan.com/aomori/ipconfig/column/5174319/

有償譲渡会を運営している団体のホームページには、アップデートができない不具合に対しては、2年保証経過後でも代替品への無償交換を明記しています。

マイクロソフトはシステム要件を満たさないパソコンへのWindows11のインストールを「推奨しない」と言ってますが、「禁止」はしてないし、正式にライセンス認証もできています。現在のところアップデートも可能です。

仮に、年に一度のメジャーアップデートができなくなったとしても、そのバージョンのサポートが切れるのは約1年後です。それまでに、メジャーアップデートに対応した代替機に交換できれば、問題は生じないと思います。

そもそも「将来的」って、有償譲渡会の低スペックパソコンを、一体何年使わせる気ですか?
使用者の技術が向上し、やりたいことが見つかったら、それに見合うパソコンに買い替えるのは当然でしょう?
アップデートができなくなったら使えなくなるのは、どのパソコンでも同じです。
3万円のパソコンが2年で使えなくなるのと、15~20万円のパソコンが7年で使えなくなるのとでは、どちらがユーザーの不利益になりますか?

諸悪の根源は、ハードウエアがまだ使用可能なのに、勝手にソフトウェアのアップデートを取りやめ、パソコンを使えなくしてしまう独占企業のマイクロソフトだと思うのですが、そこを追及する人がほとんどいないのは、なぜなんでしょうね?

情弱ビジネス?

3. CPUの世代がわかるように型番までの記載が無い
   情報弱者をかもにしていると揶揄される一因であると思もう。

https://mbp-japan.com/aomori/ipconfig/column/5174319/

有償譲渡会のパソコンの対象者が「情報弱者」であることは間違いないと思います。
でも、そのような人にパソコンに接する機会を与え、知識と経験を習得し情報弱者を脱するきっかけを与えるという意味では、有意義な活動だと思います。
有償譲渡会のパソコンを購入するような人は、CPUの型番なんて気にしないと思います。パソコンとして使えれば、どれでも同じという認識でしょう。
その違いを理解し、それが気になるようになったら、有償譲渡会のパソコンを卒業して、次のステップに進めば良いと思います。

有償譲渡会で譲渡(販売)されているものは?

勘違いしている人が多いと思いますが、有償譲渡会で販売されているのは「中古パソコンのハードウェア」ではなく、「パソコンに触れ、慣れ親しむためのチャンス」なのです。
自主学習メインだけどいつでも質問できる通信教育のようなものです。
既にパソコンが使え、サポートが不要な人には、無用の長物です。
私自身も、公民館で私の講習を受けている生徒には、絶対に勧めません!
公民館で講習しているのが、Microsoft Office だというのも理由のひとつですが。。

最近は物価高で、生活中心に考えると、使えるかどうかもわからないパソコンに15~20万円をポンと出せる余裕のある人は少ないと思います。
でも3万なら、小遣いを節約して、試してみてもいいかなと考える人はいると思います。
てか、元動画を観る限り、ニーズは結構あるようです。

そのチャンスを、活かすも殺すも本人次第。
でも、その人をサポートする気もない部外者が、「買うな」「行くな」といってそのチャンスを奪ってしまうのは、違うような気がします。


参考リンク

[パソコン修理屋の豆知識]

[一般社団法人 日本電子機器補修協会(JEMTC)~みらいへ活かす~]

[JEMTC通販サイト]


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