見出し画像

えんぶり②お座敷えんぶり

えんぶりというのは青森県南地域のお祭りで、眠っている田の神様を起こすために稲作を模した舞を奉納します。えんぶりの時期にはあちこちで門付けが行われ、商店や名家などの前で舞が披露されます。

庶民の私はその門付けの様子を見ながら「ああ、春が来るなぁ」と思うのが毎年のことなのですが(門付けの話は前記事)

今年は遠方からの友人がきたため、お庭えんぶりなるものにいってきました。

お庭えんぶり(せんべい汁、甘酒、鶴子饅頭付)

画像2

こちらは八戸市の名家、旧泉山邸で現在は「更上閣」という名で登録有形文化財に指定されています。明治のお宅です。泉山さんって、八戸観光をするとちょいちょい名前が出てきますので要チェックです。

画像2

こんな感じでムード満点です。

八戸って、年々寂れていっていて街中も徐々に暗く(お店が閉店しちゃったりするので)なっていっているなぁと思うのですが、こういう時は暗いと最高に良いですね。ちゃんとかがり火ですよ。

この暗さは大事にしたほうがいいです。

庭に入ると周囲の余計なものが見えないので、「本家の集まりに参加してえんぶりを見ています」的な錯覚に。フフフ。今日は私は名家の奥様という体でいこうと思いました。

画像3

こんな感じで雨戸をあけた縁側から座敷にみんなで座ります。火鉢はちゃんと炭です。結構温かい。ちゃんと段差があるので見やすいです。一番後ろは椅子席です。

これにせんべい汁と甘酒、ホッカイロがついて、家の中ではお酒も販売していました。膝掛けも貸してくれます。

せんべい汁もお母さん達がエプロンや割烹着姿で作っている様子が見えるので、いよいよ本家の集まり感が。

出演者

この日の出演は重地(しげち)と、糠塚(ぬかづか)というえんぶり組です。家の中には「八幡馬(やわたうま)」という民謡(八戸の盆踊りの定番曲)が流れ、司会は南部弁。この、司会をしてくれた方は柾谷伸夫さんという方で、夏休みには神社の境内で昔話をする「森のおとぎ会」でお話をしてくれています。他には市民劇団(南部弁でのお芝居)をやっていらして、南部弁といえば柾谷先生。あ、昔小学校の先生だったんですね。なのでみんな「柾谷先生」と呼んでいました。大変懐かしい。聞きやすい美しい南部弁でした。

(間違っていたら速攻で消すので教えてください)

重地(しげち) 

えんぶりに関しては私も観光客レベルの知識というかあまり知らないので写真で。

画像4

重地は「ながえんぶり」というゆったりとしたえんぶりです。烏帽子にお花がついているのが「藤九郎」というリーダーです。かっこいいです。

画像5

こんな感じで奥の方はお花がついていません。でもみんなかっこいいです。お神楽や伝統芸能ってどうしてこんなにかっこよく見えるのでしょうか。スーツ萌え的な感じですかね(急に下世話)。

昔はこの藤九郎をやる方はモテモテだったそうで。

画像6

こちらは子ども達の祝福芸で「松の舞」です。これが大変かわいらしい。

んまぁああ!ほんにめんこいごと!

って思わず南部弁が出ちゃいます。「まあ、本当にかわいらしい(めんこい)こと」って意味です。念のため。

画像7

そしてこちらは恵比寿舞。鯛を釣って、家の旦那様にあげるというストーリーなのですが人気の演目です。

右上、どこで釣ろうかな
右下、ここだここだ
左上、鯛をつけてあげてひっぱりあいます。ここでコミカルな動きをしたり鯛が外れたりした大盛り上がりです。
左下、無事つれました

こちらは小学生の方が演じてますが、大人の恵比寿舞も熟練の技でとてもおもしろいです。

画像8

というわけで1組目終了。この行列良いですよね。私もしかしたら行列が好きなのかもしれない。ハーメルンの笛吹男がきたらついて行きますね。

糠塚(ぬかづか)

2組目の登場です。

画像9

こちらは「どうさいえんぶり」という動きの激しいえんぶりです。子どもの頃はこのどうさいえんぶりが大好きでした。5人の太夫が同じ動きで激しく踊ります。

画像10

多分松の舞かな。キリッとした表情が素敵。

画像11

こちらは「えんこえんこ」という演目で、こちらも人気コンテンツです。子守をしているお姉ちゃんが子供をあやすために歌うという感じです。多分←うろ覚え…

「金のなる木」といわれる小唄に合わせ、輪に銭が付いた銭太鼓を持って回しながら舞う演目。

と書いてあるサイトもあるので「えんこえんこ」は「じぇにっこ(銭っこ)」が訛ったのか、赤ちゃんをいれる「えんつこ」(藁で編んだ籠型のキャリーのようなもの)のことなのかと思ってましたが、由来はなんなんだろ。

画像12とりあえずこの丸いフォルムだけで拝みたくなる可愛らしさ。

画像13

こちらは大黒舞。上手かったなぁ。この子。

画像14

そして、こちらは私は初めて見ました。えんぶりが田植えなどをモチーフにしているというのがよくわかる踊りでなんと裸足…!地面が冷たいという動きをしていたのですが、周りから

「なんもしゃっこく(冷たく)ねぇんだ」

とはやし立てられていました。いや、冷たいって……

画像15

そして、恵比寿舞。こちらは、高校生の子らしいです。そしてこの子も裸足…!草履履いてるけど。いやああ!冷たそう

画像16

ビシッとね。

画像17

というわけで終了からの行列。ぎゃー!かわいい!


まとめ

お座敷えんぶりおすすめです!甘酒おいしすぎて次の日酒粕買っちゃいました。満足。

画像18








いいなと思ったら応援しよう!

クジラ
来年またなにかやれたらいいな