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乳がん小葉がんの10年⑧~治療は正解だったのか~

乳腺外科、放射線科、腫瘍精神科、緩和ケア科、麻酔科、認定看護師、ソーシャルワーカー、臨床心理士、セカンドピニオン先、かかりつけのクリニック、引っ越してからのかかりつけのクリニック。
以上が、私の利用したサービスというか、診療科です。

たいして保険料を納めもしてないのに高額療養費制度のお世話になり、
抗がん剤は血液製剤を使っているので、なんというか皆様に生かされてます。

私というさして取り柄もない存在のために、幼い頃から勉強してきた努力の人々が長年の研究成果を惜しみなく活用し、それ以外にも善意の皆様、納税者の皆様のおかげで治療できたわけなんですが、そう思えば思うほど
生きててごめんなさい
ってたまに思います。

ここまでして私を助ける意味ってどこにあったんだろうか。

というわけで、上記のサイトをチラチラ見ていたのですが、やっぱりそういう悩みというか思いを少なからず抱えるものなんでしょうね。
死に向き合うと生にも向き合わざるを得なくなる。

Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I would still plant my apple tree.
明日、世界が滅びるとしても私はリンゴの木を植える。

ドイツの神学者 マルティン・ルターの言葉

という心境にはなかなかなれませんが、虚無感におそわれた時は上記の言葉を思い出すようにしています。

私の場合、治療後は生活するので手一杯で、以前の趣味もやめてしまい無味乾燥な世界が数年続いました。
その時は何度も「治療をしたことは正解だったのか」と思っていました。

その後なんか突然「あ、抜けられそう」って感じたのですが。その時に書いた文章が、2019年10月ですね。

ここからメキメキ元気になって、それまでボーッとしていた時間を取り戻すべくいろいろ始めました。
それ以降、好きなものや感動したことをnoteに書いていたのですが、note読み返すとめちゃくちゃ行動的で笑う。バイタリティ溢れすぎ。

もう新しい物や人を好きになることも、新しい音楽を好きになることもないだろうと思っていたので、またそういう気持ちが沸きあがってきたことがとてもうれしかったです。
もっと早く立ち直れていたらとも思うし、それだけ辛かったのだから時間もかかるのだろうとも思うし。
生きてて良かったと思うこともあるし、やっぱり治療しなければ良かったと思う事もあるし。

人生いばらの道、されど宴会

旧約聖書

「辛さはなくなりませんが、人は辛さに慣れることができます」
というのは、私が通っていた腫瘍精神科の先生に言われた言葉ですが、本当その通りで、辛い中にも楽しみや喜びがあって、でもやっぱり辛さも変わらずここにあって、それはずっと抱えていくものなのだろうなと思っています。

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クジラ
来年またなにかやれたらいいな